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双日、スペインの再エネ電力大手の「ネクサス・エネルジア」の筆頭株主に。欧州小売電力市場に参入。需要者ニーズに対応した「EaaS」「BaaS」事業を新たに展開へ(RIEF)

2021-09-13 17:31:30

NEXUSキャプチャ

 

  双日は13日、スペインの電力・ガス小売事業者大手のNexus Energia S.A.(ネ ク サ ス・エネルジア) の株を第三者割当増資で 引き受け筆頭株主となり、日本企業として初めてスペインの電力小売事業に参画すると発表した。 ネクサスは、スペイン・ポルトガル・メキシコの 3 カ国で電力小売事業を運営している。スペインでは、旧国営電力会社5社を除く電力小売事業者の中で年間電力販売量では5指に入る。

 

 ネクサスへの資本参加は、双日の子会社、双日欧州会社を通じて出資した。ネクサスは2000年の設立で、バルセロナに本拠を置く。同社の年間電力販売量は3.8TWh。官公庁・中小企業向け電力小売に強みがあり、販売電力量の100%が再エネ由来という。

 

 またスペイン1部リーグ所属のサッカークラブのファンクラブ会員に対してファンサービスを組み込んだ電力プランを提供するなどのマーケティングで、過去3年にわたり毎年20%超のペースで売上が拡大する成長を続けているとしている。

 

 スペインでの電力需要では、中小企業や公共機関などの電力需要家を中心に、使用電力を旧国営電力会社か ら100%再エネ由来電源に切り替える傾向が顕著だ。同国は日射や風況の条件が良いことと技術進歩や政府の政策等により、再エネ電力は化石燃料由来電力を凌いで、最も価格競争力を持っているとされる。

 

 欧州の電力市場は、EUの欧州グリーンディール政策(EGD)や需要家の環境意識の高まりの影響等を受け、顧客ニーズが多様化・拡大している。双日は、同社が内外で培った再エネ事業の開発・運営の知見・ノウハウと、ネクサスのスペイン国内での顧客網・販売ネットワーク等を融合することを目指す。

 

 具体的には、ネクサスが現在展開している電力小売事業・顧客の電力使用量最適化・省エネルギーサービスに加え、他のサービスと組み合わせて提供する「EaaS(Energy as a Service)」事業や、蓄電池をリースやシェアリングなどのサービスとして提供する「BaaS(Battery as a Service)」事業等を展開する計画だ。

 

 双日は、今年4月の3カ年計画「中期経営計画2023」で、電 力・インフラ事業分野での周辺・サービス事業領域の拡大、マーケットニー ズや社会課題の解決を起点とした事業での企業価値向上の実現を目指している。世界的に脱炭素への取り組みや電力自由化が加速する流れを捉え、環境先進地域の欧州で得た電力小売事業のノウハウを、日本や東南アジア地域などでも応用した電力サービ スの展開を目指していくとしている。

 

https://www.sojitz.com/jp/news/docs/210913r.pdf

https://www.nexusenergia.com/en/