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東京大学、主要民間企業トップ経営人と連携、2050年ネットゼロを展望した日本のエネルギー・トランジションの姿を描くイニシアティブ「ETI-CGC」立ち上げ(RIEF)

2021-11-09 18:11:48

 

 東京大学は主要な日本企業の経営トップと連携し、日本のエネルギー・トランジションの姿を描くイニシアティブ「ETI-CGC(Energy Transition Initiative-Center for Global Commons)」を立ち上げた。東大のグローバル・コモンズ・センター(CGC)が軸となり、 グローバル・コモンズである地球環境の持続可能性を守るため、2050年までの日本の温室効果ガス排出量ネットゼロの道筋(Passway)を描く等5つの原則を踏まえ、日本の最適パスウェイを模索するとしている。

 

 CGCは、世界のグローバル・コモンズ(人類社会の共通基盤として協調して守るべき安定的な地球 システム)を守るために、2020年8月に東大内に設立された。グローバル・コモンズの責任ある管理(グローバル・コモンズ・スチュワードシップ)のための国際的に共有される知的枠組みの構築を進めることを目的としている。

 

 今回、その一環として、今世紀半ばまでに温室効果ガス排出量のネットゼロを実現する日本のパスウェイを議論するための産学連携プラットフォームとしてETI-CGCを立ち上げた。エネルギー分野のリーダーによるグローバル連合である「Energy Transitions Commission(ETC)」が開発するETCのモデルを日本に適用・分析する作業を踏まえ、日本のエネルギー分野の諸課題と、経済社会システムの転換課題についても将来像を描く予定。

 

 エネルギー分野の検討課題は①再エネ、その他のコスト②カーボンニュートラルを実現する上で必要となる技術要件(安全性含む)・技術的達成可能性と時期③エネルギーミックスの変更④エネルギーインフラの変更⑤家庭用・産業用電気料金ならびにガス料金⑥各産業・運輸セクター及び日本経済全体のカーボンニュートラルへの対応、の6分野をあげている。

 

 このうち、①では太陽光、風力等の再エネ発電コストや、バッテリー、水電解装置等のコストが自然環境への負荷、技術リスク等も考慮してどの程度まで削減可能化等を探る。②の対象となるのはCCUSやCDR等の技術面での分析だ。③では再エネの中でも洋上風力の潜在力の評価や、原発の位置づけ等が課題になる。

 

 こうした各分野の技術評価を踏まえ、日本の経済社会システム全体にとって最適な2050年のカーボンニュートラル達成に至るエネルギー・トランジション・パスウェイ の姿を描く予定だ。

 

 参加する民間企業の代表は次の通り。

・井上礼之 ダイキン工業取締役会長兼グローバルグループ代表執行役員

・内山田竹志 トヨタ自動車代表取締役会長

・小野田聡 JERA代表取締役社長

・亀澤宏規 三菱UFJフィナンシャル・グループ代表執行役社長・グループCEO

・國部毅 三井住友フィナンシャルグループ会長

・小林喜光 東京電力ホールディングス会長

・十倉雅和 住友化学代表取締役会長

・東原敏昭 日立製作所執行役会長兼CEO

・平井良典 AGC代表取締役兼社長執行役員CEO

・藤井政志 三菱ガス化学代表取締役社長

・宮川潤一 ソフトバンク代表取締役社長兼CEO

・安永竜夫 三井物産代表取締役会長

・和賀昌之 三菱ケミカル代表取締役社長

 

▼東京大学側

・藤井輝夫 東京大学総長

・五神真 東京大学大学院理学系研究科教授(前総長)

・石井菜穂子 東京大学CGCダイレクター、未来ビジョン 研究センター教授

 

https://www.u-tokyo.ac.jp/content/400174029.pdf

https://www.u-tokyo.ac.jp/content/400174030.pdf