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大成建設と室蘭市。浮体式洋上風力発電の開発で連携。室蘭港に発電設備の開発・製造等の拠点整備事業に最大100億円。開発する「浮体」はフランス製(RIEF)

2021-11-18 00:31:22

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 大成建設と北海道・室蘭市は17日、室蘭市内(室蘭港)で、浮体式洋上風力発電事業関係の技術開発をはじめとした包括連携協定を締結したと発表した。両者は、室蘭港に浮体式洋上風力発電設備の部品の開発や製造等のための拠点整備事業を最大100億円を投じて展開するとしている。

 

 (写真は、室蘭市の青山剛市長㊨と大成建設の田中茂義副社長㊧)

 大成建設はすでに、フランスの洋上風力発電事業の「Ideol SA」(イデオル)と連携して、イデオルが保有する技術を用いたコンクリート製浮体式洋上風力発電設備事業に力を入れている。イデオルは浮体式洋上風力の分野でグローバルリーダーとされる。https://rief-jp.org/ct4/94883

大成が導入を目指すフランス製の「浮体」
大成建設が導入を目指すフランス製の「浮体」

 大成建設によると、室蘭港は、風況が良く、洋上風力発電の適地とされる北海道・東北地域沿岸部に近く、洋上風力関連産業の展開で大きなポテンシャルを秘めている。同港は絵鞆半島によって太平洋から遮蔽された静穏な天然の入り江。北海道内では温暖で降雪量も少なく、原材料や資機材、洋上風力発電設備の輸送を含めた作業への影響が少ない。浮体式発電関係の技術開発に必要となる一定規模の土地の確保も可能であり、今回連携を強化することにした。

 建設会社が取り組む浮体式洋上風力発電事業としては、戸田建設が長崎県五島市沖で実証実験を続けている。大成と室蘭市は2018年度から環境省の地域連携・低炭素水素技術実証事業を同市内で実証中。室蘭市との間で、水素利用事業とともに浮体式洋上風力事業の展開でも協力関係を深めていく方針だ。

 両者の連携内容は①室蘭港における浮体式洋上風力発電関係の技術開発に関する事項②同市内での洋上風力発電関連産業の展開(地域サプライチェーン構築)に関する事項③同市内での再生可能エネルギー・水素活用等のカーボンニュートラルの実現に関する事項、の3つの柱を進めるとしている。

 大成建設の田中茂義副社長は「洋上風力発電は今後大きな事業の柱になる。早期の商業化を目指し、室蘭を拠点にしてカーボンニュートラルの実現にもまい進したい」と述べた。

https://www.taisei.co.jp/about_us/wn/2021/211117_8552.html

http://www.city.muroran.lg.jp/main/org6240/2021-taisei-muroran-carbon-neutral.html