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鹿島、ポーランドの再生可能エネ・ベンチャーに投資、同国の不動産プライベートエクイティ大手とのジョイントベンチャーが取得。2030年55%削減に向け、事業機会拡大を視野に(RIEF)

2021-11-30 15:10:20

kashima001キャプチャ

 

 鹿島はポーランドの再生可能エネルギー事業に進出する。同国で再エネ事業を展開しているPAD-RES(パドレス)社の過半の持ち分(72%)を同国最大の不動産プライベートエクイティのGriffin Real Estate社と共同で設立したジョイントベンチャーを通じて取得した。パドレス社は建設中も含めると太陽光、風力等の事業を合計500MW以上展開している。鹿島は今後2025年までに同社に対する追加投資を実施していくとしている。

 

 投資額は公表されていない。パドレス社は2005年の設立。創業者で現在の代表者のMariusz Adamczewski氏は、残りの株を保有し、引き続き経営を担う。

 

 ポーランドはEU全体が2030年に向けて温室効果ガス排出量を55%削減(90年比)とする中で、エネルギー消費全体に占める再エネ割合を30年までに最低でも23%に引き上げる目標を掲げている。このため鹿島では今後さらに同国内での再エネ事業の拡大が見込めることから、投資を決めたとみられる。

 

 パドレス社は、再エネ事業に適した用地契約、風力・太陽光発電施設建設の当局からの許認可取得、消費者・企業との電力販売契約および風力・太陽光発電施設の建設を展開し、それらの事業を施設ごと再エネ比率を引き上げたい電力会社や投資ファンドに売却する事業を展開する。

 

 ジョイントベンチャーへの出資は鹿島の欧州事業を統括するカジマ・ヨーロッパが担う。同社のプロジェクト投資担当のChirs Gill氏は「ポーランドの再エネ市場はまだ揺籃期にある。今回のパートナーシップの締結で、成長が見込める市場にいち早く参入できたことを歓迎している。ポーランドだけでなう、中東欧地域全体での事業拡大につなげることを期待している」と述べている。

 

 パドレス社のAdamczewski氏は「(鹿島等の)強いパートナーを得て、組織的かつ金融的支援を受けることによって、さらなる事業の発展が叶うことを確信している」と評価している。

 

 鹿島によると、同社にとってポーランドでの企業買収は、同国で学生寮を開発・運営するStudent Depot(スチューデントデポ)社に次いで2件目。

 https://www.kajima.co.jp/news/press/202111/29m1-j.htm

https://griffin-re.com/en/about-us/