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3月に経営破綻した新電力大手のエフパワーを、物流大手のGLPグループが資産譲渡のスポンサー契約締結。自社物流施設の入居企業向けの電力供給と外部販売も検討へ(各紙)

2021-11-29 21:28:32

GLP002キャプチャ

 各紙の報道によると、物流不動産大手の日本GLP(東京)を傘下に持つGLPグループは、3月に経営破綻した新電力大手のF-Power(エフパワー、東京)の電力小売り事業の譲渡を受けるスポンサー契約を締結した。エフパワーは、会社更生法の適用中。GLPグループは新事業会社を立ち上げ、譲渡を受けたエフパワーの電力事業を踏まえ、2022年4月から新事業を稼働させる。日本GLPが全国で展開する物流施設の入居企業向けに電力を供給するほか、外部への販売も検討するとしている。

 (写真は、日本GLPの大阪・八尾の物流施設)

 GLPの事業取得金額は非公表。エフパワーは今年1月、液化天然ガス(LNG)火力発電所の燃料不足などによる電力逼迫で市場価格が急騰したことで業績が急激に悪化、3月に会社更生法の適用を申請した。負債総額は破綻時は約243億円で、その後、464億円にまで増大した。更生法の下で、再建支援のスポンサー企業を探していた。https://rief-jp.org/ct4/112344

 GLPグループはエフパワーの建物などの資産の譲渡を受けるが、負債は引き継がない。エフパワーは2009年の設立で、多数の顧客を抱えている。契約電力量で1000万kWに及ぶ顧客との接点があるほか、商品開発力、競争力のある価格を提供できる審査機能、ALM機能を軸としたトレーディング機能等を備えている。

 日本GLPは日本全国で130棟以上の物流施設を開発・運営している。物流施設は自動化や低温倉庫への需要増で電力消費量が増える傾向がある。エフパワーの電力事業の取得により、自社の物流施設の入居企業に対して、安価で電力を供給することで物流事業の付加価値を高めるほか、外部への電力販売も検討しているとされている。

 GLPは太陽光や風力、水力等の再生可能エネルギー分野への投資を重点分野の一つと位置付けており、エフパワーを再エネ電力事業のプラットフォームとして、今後の再エネ開発に力を入れていくとしている。

https://www.glp.com/jp/press/

https://www.lnews.jp/2021/10/n1015308.html