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新電力大手のF-Power(エフパワー)、今冬の電力卸市場価格高騰の影響を受け、経営行き詰まり。会社更生法適用を申請。負債総額243億円で今年最高額の倒産(RIEF)

2021-03-25 22:29:46

Fpower001キャプチャ

 

 新電力大手のF-Power(エフパワー、東京)は24日、東京地方裁判所に会社更生法の適用を申請したと発表した。同地裁は申請を受理し、保全管理命令を出した。負債総額は約243億円。今年最大の倒産規模となった。1月の電力逼迫により、電力卸市場の調達価格が急騰して業績が急激に悪化したことなどが響いた。エネルギー関連企業での会社更生法適用はこれが初めて。

 

 帝国データバンクによると、同社は2009年4月設立。特定規模電気事業者(PPS)として、自社では発電設備を持たず、グループ会社の再エネ事業者や民間発電所、自治体の清掃工場のゴミ発電等から主に電力を調達。電力使用量の増加で供給不足の場合は日本卸電力取引所(JEPX)からスポット取引等で調達するビジネスモデルだった。その卸電力市場の急騰で行き詰まった。

 

 電力販売面では、事業者向けに高圧電力、特別高圧電力、一般家庭向けに低圧電力を小売販売してきた。官公庁から企業、工場、店舗、一般家庭と幅広く展開し、北海道を除く国内全域に供給してきた。販売する商品は、事業者向けでは契約期間中の固定電気料金や原油連動料金、市場連動料金等、一般家庭向けでは定額使いたい放題と基本料金不要で従量課金等の料金プランを提供していた。

 

 2018年4月には契約電力400万kW以上で新電力最大手となり、2019年6月期には年売上高約1606億円になった。ただ、同業他社との競争が激しく、売上は事業者向けと一般家庭向けの両部門で落ち込み、2020年6月期の年売上高は約722億円に減少。こうした販売面での悪化に加えて、今冬の市場高騰により電力調達コスト負担が増大して資金繰りが悪化した。

 

 エフパワーは24日の取締役会で更生手続きを決議した。しかし、埼玉浩史社長ら現経営陣の進退については決議していない。埼玉社長は「熟慮に熟慮を重ねて経営判断した。再建を図るための法的手続きであり、当面の営業継続や顧客に対する今後の電力の供給には支障はない」とコメントしている。

 

 申請時の負債は債権者約315名に対し約464億円。新電力の大型倒産では日本ロジテック協同組合(東京)の負債約162億8200万円を上回る過去最大規模となる。同社の事業に対しては複数のスポンサー候補が支援について検討されており、今後、保全管理人のもとでスポンサー選定手続きが進められる予定。

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