商船三井、浮体式洋上風力発電事業に参入。英専門会社のフローテーションエナジー(FE)社と協業合意。新潟沖を始め、日本市場での共同開発目指す(RIEF)
2021-12-08 12:00:21
商船三井(東京)は、スコットランドのFlotation Energy(フローテーションエナジー : FE)と協働して、日本での浮体式洋上風力発電事業の開発に取り組むと発表した。FEはすでに新潟沖で合計2GWの洋上風力発電事業開発を計画している浮体式の専門業者。両社は、新潟を含めて、日本市場での共同開発を展開し、日本政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル」の実現、さらに2040年に洋上風力発電を最大45GWに拡大する目標への寄与を目指すとしている。
FE社は世界最大の浮体式洋上風力発電所である スコットランドのキンカ―ディン( Kincardine)洋上風力発電プロジェクトを手がけた実績を持ち、世界有数の浮体式洋上風力発電事業者として知られる。同事業はデンマークのVesgtasの9.5MWの風力発電機5基と、2MWの風力発電機1基で構成される。総発電量は50MWと世界最大規模の能力を持つ。2018年から発電している。
CO2削減量は年間9万4000㌧で、発電量はスコットランドの一般家庭5万5000世帯分をカバーする。同プロジェクトの浮体はPrinciple Power社製の鉄鋼製のセミ潜水式浮体を採用している。また最近で は、英国での洋上風力開発用地の第 4 回入札で480MWのモーカム着床式洋上風力発電事業の優先交渉権を獲得している。英国南西沖では100MWの実証実験プロジェ クトの開発権も取得している。
FEはこうした技術実証力を踏まえて、日本での浮体式洋上風力発電事業を展開するうえで、商船三井と連携することにした。商船三井は、船舶、浮体式構造物の建造・保有・運用面において、長年培ってきた知見を最大限活用して、FEが日本で開発する製品調達等でのローカルサプライチェーンの構築を支援する。また日本 を含むアジア地域における同事業に共同で取り組んでいく方針だ。
FEの国際オペレーション担当取締役Tim Sawyer氏は「商船三井と の協業はフローテーションエナジーの日本での存在を示すための大きな一歩。我々は商船三井とともに、日本での洋上風力発電の実現に向けて協業することを楽しみにしている」と指摘している。
商船三井常務執行役員の鍬田博文氏は「英国と日本はともに島国であり、資源に乏しいと いう共通点を持つ。英国は洋上風力発電事業の開発で日本をリードしており、その英国やその他の国でこれまで多大な経験を持っているフローテーションエナジーとわが社による今回の協業は、日本における同事業の発展に寄与する」と述べている。
https://www.flotationenergy.com/projects