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INPEX、オランダで三菱商事が開発した2件の洋上風力発電事業に参画。「2050年ネットゼロ」に向けて資産の脱炭素化を促進(RIEF)

2021-12-09 21:17:11

INPECS001キャプチャ

 

   INPEX(国際石油開発帝石)は7日、オランダで三菱商事が開発・操業中の、2つの洋上風力発電事業に出資すると発表した。オランダ沖合で稼働中のルフタダウネン( Luchterduinen)洋上風力発電所の50%の持ち分と、ボルセレ(Borssele)III/IV洋上風力発電所の15%持分を取得する。INPEXでは今回の再エネ事業取得により、「2050年ネットゼロ」のカーボン社会の実現に向けてエネルギー構造の変革に積極的に取り組む、としている。

 

 (写真は、三菱商事が開発したルフタダウネン洋上風力発電所)

 

 今回譲渡対象となった2件のうち、ルフタダウネン洋上風力発電所は、3MWの発電能力を持つ風力発電機43 基資産(合計129MW)のうち50%持分を取得し、ボルセレIII/IV洋上風力発電所では19.5MWの発電能力を持つ77基(合計731.5MW)の15%を取得することになる。

 

 洋上風力発電所の権益取得はINPEXが欧州での再エネ事業推進を目指して英国に新設したINPEX Renewable Energy Europeが、三菱商事100%孫会社であるオランダ法人Diamond Generating Europe(DGE-NL)との間で、DGE-NL子会社の株式譲渡契約を締結した。オランダ当局等の承認などを経て、正式に売買が成立する。

 

 取得した案件のうちルフタダウネン洋上風力発電所は、オランダのノルドバイク市の沖合23kmに位置する。2015年9月から商業運転を開始している。もう一方のボルセレⅢ/Ⅳ洋上風力発電所はウエストカペッレ市沖22km。2021年1月から商業運転に入っている。

 

 今回の海外での資産取得による今期の同社連結業績への影響は軽微とし、中長期的には同社の連結業績に資すると期待している。

 

 INPEXは今年1月、2050年自社排出ネットゼロカーボン等の気候変動対応目標を定めた、長期的な経営方針「今後の事業展開~2050年ネットゼロカーボン社会に向けて~」を公表している。目標達成のため、①上流事業のCO2低減(CCUS推進)②水素事業の展開③再エネの取組強化と重点化④カーボンリサイクルの推進と新分野事業の開拓⑤森林保全によるCO2吸収の推進、の5つの分野に積極的に取り組むとしている。

 

 このうち、再エネ事業では、石油・天然ガス開発で培った技術を応用できる地熱発電事業や海外現場での経験が豊富な洋上浮体施設の建設・操業、洋上風力発電事業等への取り組み加速を掲げている。

 

 国内では、戸田建設らとコンソーシアムを組み、再エネ海域利用法に基づく「長崎県五島市沖海洋再エネ発電設備整備促進区域」の選定事業者となっている。同事業は、商用では国内初の浮体式洋上風力発電所を建設・運営するもので、再エネ海域利用法に基づく洋上風力発電所としても国内初となる。

 

https://www.inpex.co.jp/news/assets/pdf/20211207.pdf