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「うどん県」香川県の高松市が、廃棄うどんをバイオマス発電の燃料に加え、発電効率のアップ確認の実験開始へ。うどんの「発電増量力」と、フードロス削減の両立を目指す(各紙)

2022-05-26 08:01:35

udonキャプチャ

 

 うどんの生産・消費で日本一の香川県高松市が、廃棄された讃岐うどんを原料としたバイオマス発電の実験を始める。市内の下水処理場内にある発電設備に廃棄うどんを投入し、発電量が増えるかを確認するという。香川県ではこれまでも県が関わる形で「うどん発電」が取り組まれているが、高松市による新たな実証実験で、「うどんによる発電増量効果」を確認し、市としての脱炭素の取り組みとして強化するとともに、フードロス削減も進めるとしている。

 

 四国新聞等が報道した。実験は市内にある東部下水処理場で6月3日から1年間にわたって実施する。同施設では下水道施設で発生する消化ガスをバイオマス発電の燃料として使っている。そこに廃棄うどんを追加燃料として投入することによって、バイオマス発電の効率がどれくらいアップするかを確認するとしている。

 

 同下水道処理場は、2016年2月に運転を開始した市内最大の下水処理設備。構内には発電能力500kWのバイオマス発電所を備えている。同発電所は年間に161万kWhの電力を供給できる能力があり、一般家庭の使用量に換算すると450世帯分に相当する。発電時の熱を利用できる温水貯留タンクも備えている。

 

 今回、実験に使う廃棄うどんは市内の「さぬき麺業」から提供を受ける。同県では、うどんが毎日、大量につくられ、大量に食べられている。うどん用小麦粉の年間使用量は約6万㌧で、うどんの消費量も日本一。うどんの製造工程では、切れ端の部分や、規格に合わないうどん等が年間1000㌧規模で廃棄されているという。

 

 これまで県レベルでもこれらの廃棄うどんをバイオマス発電の原料にする取り組みが行われてきたが、今回、高松市の取り組みは発電効率アップを確認して、バイオマス発電の成果を高める狙いがあるようだ。

 

 計画では、月400~600kgのうどんの提供を受け、発電燃料として活用する。報道によると、高松市の大西秀人市長は今回の実験を通して「ゼロカーボンシティ化と食品ロス削減を進める」と述べているという。

https://www.shikoku-np.co.jp/bl/news/kagawa/evening-detail.aspx?kid=20220524000503