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ENEOS、静岡県で、鈴与商事、静岡ガスと共同でPPA方式の太陽光発電事業の新会社設立。余剰電力をグリーン水素製造にも活用。水素は燃料電池バスの燃料に充当(RIEF)

2022-09-01 18:44:03

ENEOS003キャプチャ

 

  ENEOSは1日、静岡県内で太陽光発電による電力を活用して水素を製造する「グリーン水素」事業を実施すると発表した。同県の鈴与商事、静岡ガスと共同で新会社を設立、太陽光発電事業者が同設備のコストを負担して電力を地元企業等の自家消費電力として販売する「PPA(電力購入契約)」方式の事業を進める一方で、余剰電力をENEOSが買い取り、電解設備を使った水素製造に充当するとしている。

 

 (写真は、㊧から新会社設立を発表した鈴与商事(水野正信取締役GX企画部長)、ENEOS(川副徳太郎 リソーシズ&パワーカンパニー 電気事業部長)、静岡ガス(松本尚武執行役員経営戦略本部長兼経営企画部長))

 

 3社で設立したのは、「清水ソーラーエナジー」(静岡市)。資本金は3000万円、出資比率はENEOSが50.1%、鈴与商事と静岡ガスがそれぞれ24.95%。社長にはENEOSの川副徳太郎リソーシズ&パワーカンパニー電気事業部長が就任した。

 

ENEOS002キャプチャ

 

 新会社は、静岡市内の家庭や工場の屋上にPPA方式で太陽光パネルを設置し、設備の施工や保守管理、電力の販売を担う。需要家は初期費用ゼロ円で設備を導入できる。新会社が契約する再エネ事業では、需要家の自家消費では使いきれない余剰電力が年間数十万kW時の規模で発生すると想定している。ENEOSはこの余剰電力をグリーン水素製造に活用する計画だ。

 

 ENEOSは清水駅前の清水製油所跡地で再エネ電力を使って水を電気分解し、水素を製造するグリーン水素事業を計画している。同地区は4月に環境省の「脱炭素先行地域」に選ばれている。ENEOSは同地区に最大出力3MWの太陽光発電設備を設置してグリーン水素製造に充てる計画だ。

 

水素を燃料として走る燃料電池バス(トヨタ)
水素を燃料として走る燃料電池バス(トヨタ)

 

 清水港製油所跡地等の開発では、大規模開発の検討・整備を目指す清水駅東口エリア、物流倉庫等が立地する日の出エリア、 区画整理事業を進める恩田原・片山エリアに分かれて再開発を進めている。それぞれに太陽光、蓄電池、自営線、EMS等の導入を進めるほ か、市域内でのPPAとの連携も盛り込んでいる。

 

 このうちグリーン水素の製造は清水駅東口エリアで計画中だ。同エリアは20ヘクタールの広さがある。ENEOSでは、グリーン水素製造を安定的に稼働させるため、新会社の「清水ソーラーエナジー」で利用できる余剰電力も調達する。製造したグリーン水素は、燃料電池(FC)バスの燃料として活用する予定。水素ステーションも設置する。

https://www.eneos.co.jp/newsrelease/20220901_01_01_1080097.pdf

https://www.env.go.jp/content/000060854.pdf