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米原子力規制委が、米の原発の安全性問題で、冷却装置など改善必要と報告(各紙)

2012-08-12 23:04:45

各紙の報道によると、米原子力規制委員会(NRC)は10日、東京電力福島第一原子力発電所の事故後に実施した米国内の稼働中原発全体の点検内容を踏まえた安全対策の報告書をまとめ、公表した。

  報告書は、今月27日からウィーンの国際原子力機関(IAEA)で開かれる原子力安全臨時会議に提出する予定だ。同報告書によると、現在、米国内にある104基の原発はいずれも、2001年の同時テロ後に全電源喪失対策や非常時の作業手順などを改善している。このため、福島第一原発のような(マネジメントのミスによる)事故の発生は考えにいとしている。同時に、新たな対策を講じなければならないような差し迫ったリスクも見当たらないという。

 しかし、原子炉と使用済み核燃料プールの冷却装置の信頼性向上や、事故時に原子炉内の圧力を逃がすベント設備の追加などは改善が必要だと指摘している。これは福島事故からの反省に基づくものとみられる。また、地震や洪水などの自然災害への対応や過酷事故(シビアアクシデント)対策について、既に実施済みのものと、今後実施する予定のものを整理している。これらの対策整理は日本の原発管理にも一つの指針となるとみられる。