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国「机上」で判断 中間貯蔵施設候補地選定  安全、災害対策回答せず(福島民報)

2012-09-15 13:34:18

東京電力福島第一原発事故による中間貯蔵施設設置の事前調査の受け入れを求めている環境省は14日、県に候補地選定の理由について「文献や地図から判断した」と「机上」での判断を認め、「安全対策は現地に入らないと分からない」と回答した。福島県の荒竹宏之生活環境部長は「(事前調査受け入れを判断する)次のステップに進めるレベルではない」と強く批判。国の対応に疑問を呈し、あらためて詳細に説明するよう求めた。
 環境省の奥主喜美大臣官房審議官が県庁で、荒竹部長らと非公開で会談した。福島県は(1)調査候補地の選定理由(2)施設の安全性(3)事前調査の概要-の3点で詳しい説明を求めた。
 会談終了後、記者団の取材に応じた奥主審議官は候補地の選定理由について「文献や地図から判断せざるを得なかった。本当に適当かどうか、具体的な安全対策は現地に入らないと分からない」と述べ、現地での事前調査への理解を求めた。

 福島県の荒竹部長は、環境省側から中間貯蔵施設完成後の維持管理方法を示されたが、設置作業中の安全対策や大規模な余震、津波への備えについて回答がなかったことを記者団に明らかにした。事前調査の時間や手順についても「検討中」とするにとどめたという。

 荒竹部長は「疑問はまったく解消されなかった。住民の意向をくんで考えているのか、非常に疑問だ」と語気を強め、「調査する立場でなく、地元の立場で説明が必要と申し上げた」と語った。

 福島県幹部の1人は、中間貯蔵施設候補地選定が「机上」での作業で行われたため、選定した根拠が欠けていると指摘。「環境省は施設建設など公共事業を進めることには不慣れだ。国土交通省など他省庁のアドバイスを受けながら事前調査への理解を求めていくべきだ」と強調した。

 同省は8月に福島第一原発が立地する大熊町9カ所、双葉町2カ所、楢葉町1カ所の計12カ所を中間貯蔵施設の候補地として提示している。

 県と双葉郡8町村は、設置候補地の大熊、双葉、楢葉3町と他町村では抱える問題が異なるとして、それぞれ個別に国から説明を受けることを決め環境省に考えを伝えていた。双葉郡の各町村も今後、環境省と日程を調整する。環境省からの説明が全て終了した後、県と8町村であらためて事前調査受け入れについて協議する方針。

■双葉郡首長不信感あらわ

 環境省の県に対する説明が不十分だったことを聞いた双葉郡の首長は、同省への不信感をあらわにした。
 中間貯蔵施設を町内2カ所に設けるよう要請された双葉町の井戸川克隆町長(双葉地方町村会長)は「対応が熱心ではない相手と信頼関係など構築できるものではない」と強調。一カ所の設置を打診された楢葉町の松本幸英町長は「立地町や県民に分かりやすく説明すべきだ」と求めた。

 24日に環境省から説明を受ける川内村の遠藤雄幸村長は「候補地にとっては将来に関わる問題。村への説明では情報を精査してきてほしい」とし、広野町の山田基星町長も「町への説明ではしっかり話す準備をしてほしい」と訴えた。

 富岡町の遠藤勝也町長は「具体的で根拠のある安全対策などを示すべき」と強調。浪江町の馬場有町長は「国が本当に真剣に考えているのか疑問だ。安全性が担保できるのだろうか」と疑問を呈し、葛尾村の松本允秀村長も「国は中間貯蔵施設の問題を軽く考えているのではないか」とくぎを刺した。

 

 

http://www.minpo.jp/news/detail/201209153638