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シェール採掘で「河川汚染」 米環境シンクタンク (各紙)

2013-03-12 12:24:30

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シェールガスの採掘田
シェールガスの採掘田


各紙の報道によると、米環境シンクタンクは、米国内で活発化するシェールガスの採掘時に、化学物質を含んだ水を大量に地中に送り込むことで、ガス田のある米東部の河川に、化学物質等の汚染物質が流れ出している可能性がある、との研究結果をまとめた。米科学アカデミー紀要電子版に11日発表した。


 調査を実施したのは、米環境シンクタンク「リソーシズ・フォー・ザ・フューチャー」の研究チーム。米東部ペンシルベニア州を中心とする世界最大級のガス田「マーセラス・シェール」の周辺の水質データ2万件以上を分析した。その結果、河川の上流にシェールガスの採掘場があると、河川に細かいごみのような浮遊物が増えるほか、採掘に伴う汚染水を処理する浄化施設の下流では、塩素化合物の濃度が高くなることを確かめた。




 調査で発見された浮遊物は、採掘に使った化学物質等を含んだ汚染水の一部が、処理されないまま採掘場から河川に流れ込んだためとみられる。生態系への影響が大きい塩素は浄化施設での除去が難しく、処理後も濃度が下がっていない可能性があるという。




 マーセラス・シェールの周辺では、これまでに地下水汚染への懸念が高まっており、地元住民らからは採掘に反対する運動も起きている。調査チームは「さらに調査を進め、今後、何らかの規制が必要かどうか検討すべきだ」と指摘している。