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「事故の責任を全う」 東京電力社長が福島復興本社で 犠牲者に黙祷と 社員に訓示(各紙) 有言実行を貫いてもらいたい   

2013-03-12 12:57:30

福島復興本社で、原発事故被害者に黙祷をささげる広瀬東電社長ら幹部社員
福島復興本社で、原発事故被害者に黙祷をささげる広瀬東電社長ら幹部社員
福島復興本社で、原発事故被害者に黙祷をささげる広瀬東電社長ら幹部社員


東京電力の広瀬直己社長は11日、東日本大地震が発生した午後2時46分に合わせ、福島県楢葉町の福島復興本社で石崎芳行代表ら社員約40人とともに、震災と福島第1原発事故の犠牲者に黙とうをささげた。
広瀬社長は社員に対する訓示のなかで、「福島県を中心に今も多くの人たちに多大な苦労と心配をかけていることにおわび申し上げたい」と陳謝した。さらに「原点は福島にあるとの思いを共有し、事故の責任を必ず全うしなければならない」と語った。加害者としての認識を踏まえて、その責任を果たす意向をあらためて強調した。この姿勢を、避難を強いられている福島県民への賠償、生活再建等に具体的に表してもらいたい。

 

また広瀬社長は、全社員が福島県を訪れて支援に携わる取り組みに触れ、「被災者に何ができるかを考えてほしい」と、社員一人一人に取り組みを求めた。石崎代表も「福島に来て、福島の人たちを理解しなければならない。福島のために尽くそう」と呼び掛けた。
ただ、終了後の記者会見で、広瀬社長は、第1原発5、6号機と第2原発の存廃について「国の原子力政策の在り方を議論してもらった上で判断しなければならない」と従来の見解を繰り返した。放射能汚染を取り除けず、膨大な汚染処理水をため込んでいる中で、5,6号機や第二原発を自らの判断で閉鎖する決意がないのは、大事故を引き起こした企業の経営者の判断として、問題の重みを理解しているとは思えない。果たして、有言実行ができるのか、疑問が残る。