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東北電、福島県浪江・小高地区での原発新設断念へ 福島事故後初めて 地元反発で (河北新報) 遅すぎる決断

2013-03-28 12:40:22

東北電力が福島県で計画中の浪江・小高原発の建設予定地=1981年11月
東北電力が福島県で計画中の浪江・小高原発の建設予定地=1981年11月東北電力が福島県で計画中の浪江・小高原発の建設予定地=1981年11月tohokuLogo

東北電力が浪江・小高原発(福島県浪江町、南相馬市)の新設計画を撤回する方向で最終調整に入ったことが27日、分かった。予定地が東京電力福島第1原発事故後に警戒区域となったことに加え、地元の理解を得られず、建設は不可能と判断したとみられる。

 原発新設計画を撤回すれば、他の電力事業者を含めても原発事故後初めて。東北電としては2003年に地元の反対などを理由に断念した巻原発(新潟県)に次いで2例目となる。

 
 浪江・小高原発は出力82万5000キロワットで、予定地は浪江町と南相馬市小高区の計約150ヘクタール。用地は東日本大震災の津波で浸水し、原発事故後に全域が警戒区域となった。小高区側は昨年4月に避難指示解除準備区域になり、浪江町側も来月1日に同区域に変わる。

 
 福島原発事故を受け、11年12月には浪江町議会が誘致を白紙撤回する決議を、南相馬市議会が計画中止を求める決議をそれぞれ可決。馬場有浪江町長、桜井勝延南相馬市長もそろって立地を認めない考えを示していた。

 
 東北電は1968年に浪江・小高原発の建設計画を発表し、70年から用地買収を本格化させた。一部地権者の強い反対で用地取得は完了していない。昨年3月には「16年度着工、21年度運転開始」としていた計画をいずれも「未定」とした。

 
 原発事業で東北電は、震災後に運転停止が続く女川原発1~3号機(宮城県女川町、石巻市)を16年度以降、東通原発1号機(青森県東通村)を15年7月に再稼働させる計画。東通原発2号機の新設計画もあるが、「16年度以降の着工、21年度以降の運転開始」の予定を震災後「未定」と変更している。

 

http://www.kahoku.co.jp/news/2013/03/20130328t63019.htm