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東芝や仏アレバ、英ウラン濃縮会社「ウレンコ」の買収を検討(Reuters) 国際原発マフィアによる争奪戦へ 東芝も主役

2013-04-27 23:00:07

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【ロンドン/ベルリン ロイター】 業界関係筋が明らかにしたところによると、仏原子力大手アレバや東芝が英ウラン濃縮会社ウレンコの買収を検討している。ただ、ウレンコに共同出資する英独、オランダの間では同社の今後をめぐり見解が分かれているという。urenco20130423-00000012-nna-000-1-view

英政府は22日、保有するウラン濃縮会社ウレンコ株式33%すべて、あるいは一部を売却する方針を明らかにした。ドイツの電力・エネルギー大手RWEとエーオンも共同で保有する33%株式について買い手候補と協議しているが、オランダ政府は売却を検討していない。

アナリストはウレンコの企業価値を25億─36億ユーロと試算しているが、売り手の間では最大120億ユーロでの売却を狙う向きも見られる。

アレバと東芝はいずれもコメントを差し控えた。

ウレンコは1971年のアルメロ条約に基づいて設立され、その形態上、いかなる取引にも3カ国の合意が必要となる。

ある業界筋は、ウレンコ株主の間で多くの議論が行われているものの、各国の思惑の違いや条約に絡む複雑な問題を踏まえれば、年内に事態が進展しない可能性は十分あると述べた。

英民間企業・技術革新・技能省の報道官は、英国がウレンコ株の売却を検討していることを明らかにし、政府として他の株主と選択肢について話し合っているとした上で、現時点で正式な立場は固まっていないと述べた。買い手候補からの打診についてはコメントを差し控えた。

オランダ経済省の報道官は独RWEとエーオンがウレンコ株売却に向けて買い手と協議していると明らかにする一方、オランダ政府としては保有するウレンコ株33%の売却は検討していないと述べた。

エーオンとRWEはコメントを差し控えた。

株主間の見解の相違にも関わらず、複数の関係筋によれば、ウレンコには既に強い関心が集まっている。

ある業界筋によると、仏アレバはウレンコへの出資に前向きで、野村をアドバイザーに起用した。既に関心は表明しているものの、株式売却のプロセスが正式に始まっていないことを踏まえ、買収提案や実質的な接触にはまだ踏み切っていないという。

また、20日付の英紙サンデー・タイムズは、東芝がウレンコへの買収提案を検討していると伝えた。

業界専門家は、東芝にとってウレンコ買収は極めて論理的であり、高値での取得も辞さない可能性があるとの見方を示した。

原子炉から燃料、廃棄物処理まで手掛けるアレバとは異なり、東芝傘下の米ウエスチングハウス(WH)は原子炉を事業の中核としている。フランスのベテラン原子力業界関係者は「WHは間違いなく、核サイクル全体を通じたサービス提供を求めている」と述べた。

一方、金融市場筋はプライベートエクイティのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)<KKR.N>とCVCもウレンコに関心を持っていると話した。

http://www.worldtimes.co.jp/news/bus/kiji/2013-01-21T232327Z_1_TYE90K05U_RTROPTT_0_JT8315849-URENCO-SALE-TOSHIBA.html