一般社団法人環境金融研究機構 | Research Institute for Environmental Finance: RIEF

各紙の報道によると、中東を歴訪中の安倍晋三首相は２日夜（日本時間３日未明）、最後の訪問国トルコに到着した。同地で、エルドアン首相との首脳会談において、日本からの原発輸出を可能にする原子力協定に署名する。原子力協定の調印は、アラブ首長国連邦（ＵＡＥ）に続き、二国目となる。安倍政権は、東電福島事故の終息が全く見えない中で、外国では着々と原子力産業の復権の地ならしを進めている。

安倍首相は今回の中東歴訪において、UAEとの協定調印のほか、サウジアラビアとも協定締結交渉入りに向けた事務レベルでの協議を始めることで一致した。安倍政権は中東諸国との間で、日本からの原子力関連技術を輸出しやすくなる環境を整備することで、国内の成長戦略にも資するとの位置づけをしているようだ。エルドアン首相との会談では、原子力協定のほか、日本とトルコの経済連携協定（ＥＰＡ）交渉開始に向けた、意見も交換するとみられる。