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内閣府原子力委の秋庭委員 就任後も「電力会社支援のNPO」活動継続 委員会会合欠席して行事に参加も (毎日)

2013-05-03 13:34:18

電力系NPOとつながる秋葉氏
 

電力系NPOとつながる秋葉氏
電力系NPOとつながる秋葉氏


内閣府原子力委員会の秋庭(あきば)悦子委員(64)が、自身が顧問を務めるNPO法人「あすかエネルギーフォーラム」(あすか)の行事に委員就任後も繰り返し参加し、案内役や司会を務めていたことが分かった。公用車で会場に出向いたり、原子力委の会合を欠席してあすか関連団体の行事に参加したりしていたケースもあった。あすかは電力会社などから多額の支援を受けたことが判明していたが、秋庭氏があすかと最近も密接に関わっていたことが新たに明らかになった。

あすかはエネルギー関連の啓発事業などを行っている。秋庭氏が2001年に設立し、10年1月に原子力委員になるまで理事長を務めた。11年3月の東日本大震災以降、電気事業連合会や東京電力などから計1800万円余の支援を受けていたが、菅義偉官房長官は3月の記者会見で「(秋庭氏が)顧問として相談に応じることは原子力委員として支障はない」と話していた。

ところが、原子力委事務局などによると、秋庭氏は委員就任以降も、あすかの行事に少なくとも14回参加。11年3月11日と12年9月28日、13年3月8日に東京都内で開かれた会合には、公用車で出向いた。

14回のうち11回は、原子力発電環境整備機構(NUMO)があすかに委託した「放射性廃棄物ワークショップ」事業で、放射性廃棄物処理への住民理解を進める会合だった。また、2回は同事業参加経験者の交流会、1回は放射線に関する勉強会だった。同事務局は「原子力委員の職務として参加した」と説明している。

一方、秋庭氏は12年に愛知など3県で開かれた同事業でグループ討論の司会を務めた。また、複数の関係者によると、今年1月の大阪市での事業では、講師の付き添いや参加者の案内役など裏方を務め、12年の宮城など2カ所では、講師招へいも担当した。

この14回とは別に、10年7月、あすかの姉妹団体「石川エネの会」が後援する「環境・エネルギー講演」(石川県)で講師を務めるため、その日の原子力委の定例会と臨時会を欠席していた。

秋庭氏は取材に「福島事故後、(放射性廃棄物の)処理を急ぐ状況になり、NUMOから依頼が多かった。NUMOと一般の人たちとのマッチングを何とかしようと一生懸命やったが、やり過ぎだったかもしれない。ただ、定例会欠席については、原子力委での手続きはきちんと行った」と話した。【杉本修作、向畑泰司】

 

http://mainichi.jp/select/news/20130503k0000e040145000c.html