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東京電力と政府に、福島第一原発地下水の海洋放出に関してNGO・市民団体による検証を共同要請 (Greenpeace)

2013-05-14 21:40:07

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fukushima20130301041jd国際環境NGOグリーンピース・ジャパンと一般社団法人サーフライダーファウンデーションジャパンは、東京電力が福島第一原子力発電所で発生する汚染水の増加を遅らせるため、原子炉建屋に流入する前にくみ上げた地下水を海に放出する計画を発表していることを受けて、5月13日、東京電力の廣瀬直己社長と安倍晋三首相宛に共同要請書を提出しました。

このなかで二団体は、くみ上げた地下水の放射性物質の含有等について、グリーンピースをはじめとするNGO・市民団体や専門家による検証の随時実施と、タンク等に貯蔵されている汚染水の海洋投棄を行わないことの二点を同社に要請しました(注)。

 

「福島第一原発の地下水の海洋放出に関してNGO・市民団体による検証を求める要請書」主旨および内容
福島第一原発は事故の収束とは程遠く、失われた自然環境や地域の暮らしを事故前の状況に戻すことは非常に困難であり、さらなる環境破壊と社会的・経済的な被害を防ぐために下記二点を要請しました。

【地下水の海洋放出について】

福島第一原発の建屋に到達前にくみ上げた地下水の海洋放出を実施する際には、東京電力は、放射性物質の含有等について、グリーンピースをはじめとするNGO・市民団体や専門家に随時検証させ結果を公開するなどして、放出する水が環境および生態系に無害であることを立証すること。また、この地下水、および放出設備は汚染水を希釈して海洋投棄するための用途に使用しないこと

【汚染水の海洋投棄について】

タンク等に貯蔵されている汚染水については、海洋投棄を行なわないこと

サーフライダーファウンデーションジャパン 事務局長の松原広美氏は「海はひとつ、世界とつながっています。どうやって、世界に、次世代に、この人為的な海洋環境破壊を説明すればいいのでしょうか。その明確な理由も、海をキレイにする術もないまま、これ以上、海を汚さないでください」と訴えました。

グリーンピース・ジャパン エネルギー・気候変動担当の高田久代は「現在の汚染水対策は応急処置に過ぎず、抜本的な対策もないまま、福島第一原発事故は現在進行形で続いています。当事者である東京電力と政府が『大丈夫だ』としたことに、私たちは何度も裏切られてきました。いま“オール・ジャパン”で取組むべきは、安倍首相が力を入れる原発の輸出ではなく、事故の収束です。これ以上の放射能汚染の拡大を見過ごすことはできません」と強く訴えました。

グリーンピース・ジャパンは、東京電力および安倍首相に対して、汚染水の海洋投棄をしないことを求める緊急署名をウェブサイト等で近日中に開始する予定です。

注) 「福島第一原発の地下水の海洋放出に関してNGO・市民団体による検証を求める要請書」

 

http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/press/2013/pr20130513/