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東電原発事故で事業を悲観して自殺した酪農家の遺族が東電を提訴 「原発事故で悲観」(各紙)

2013-05-30 17:24:32

東京電力を提訴したバネッサさん
東京電力を提訴したバネッサさん
東京電力を提訴したバネッサさん


東京電力福島第1原発事故で将来を悲観して自殺した福島県相馬市の酪農家菅野重清さん=当時(54)=の妻バネッサ・アボルドさん(35)と息子2人が30日、東電に約1億2600万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。

 菅野さんは乳牛約40頭を飼育。事故後、放射性物質の影響で原乳の出荷を停止し、飼っていた乳牛をすべて手放した。フィリピン国籍のバネッサさんは、子どもたちとともに、放射能汚染を避けるため、フィリピンに一時帰国していたが、その間、菅野さんは2011年6月10日、牧場の小屋で自殺しているのを発見された。

自殺した牧場の小屋の壁には、「原発さえなければ」「仕事をする気力をなくしました」との書き残しが発見された。福島での悲劇の象徴的なケースとして人々の記憶に残った。

バネッサさんは、その後の東京電力の対応が、不適切であったことや、菅野さんが亡くなったことで将来の展望も開けず、自身がうつ病を発症したことも主張している。