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経産相、「優先順位つけて審査」と 原発再稼働で規制委に“圧力(?)”(FGW)

2013-06-07 15:23:01

茂木経産相
茂木経産相
茂木経産相


各紙の報道によると、茂木敏充経済産業相は7日の閣議後会見で、原発の再稼働について「(原子力規制委員会は)一定のスケジュール感や優先順位を持ちながら審査してほしい」と述べた。経産相の発言は、7月の新規制基準施行後、規制委が電力会社からの申請を受けて実施する審査へ“圧力”との見方も出ている。 原子力規制委員会は、福島事故で全く機能しなかった経産省傘下の原子力安全・保安院を解体、環境省の外局として発足した。組織上は環境省だが、国家行政組織法3条2項に基づいて、内閣からの独立性の高い「三条委員会」と位置づけられている。

 これは、原子力行政を推進し、福島事故を防げなかった経産省の影響を排除することが必要との国会の判断に基づく。原子力行政推進の立場から茂木大臣が意見を言うことは否定はされないが、委員会の審査スケジュールや審査の順番等について発言することは、”圧力”との指摘も出てくる。

 福島事故については原子力行政を推進し、各電力会社に総数54の原発を導入させた経産省自体の政策責任も全く果たされていないのが現状だ。今回の茂木大臣の要請は、経産省としての自己責任を棚上げし、事故の反省・教訓もしないまま、従来通りの原子力行政に戻ろうとするかのように映る。

 規制委の審査体制の問題もある。十分な人材配置がなされていない点があげられる。今後、審査には3チームで再稼働の安全審査を行う予定だが、電力会社からの申請が相次いだ場合、物理的に審査が滞る可能性もある。経産相の要請のようなスケジュール主導になると、拙速に陥り、安全審査が疎かになりかねない。そうなると、再稼働に反対している住民の不信感をさらにあおることになる。

 一方で、再稼働の時期が遅れることで、経産省や電力会社は、電気料金の一段の値上げが必要とのキャンペーンを展開することは必至。安全性の確保と、経済合理性の冷静な審査を前提とした原発の選別が行われない限り、日本の原発に対する信頼は戻らない。