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「原発再稼働を三年間凍結し、原子力災害を二度と起こさない体系的政策を構築せよ」(原子力市民委員会)

2013-06-20 12:52:53

原子力市民会議の模様
原子力市民会議の模様
原子力市民会議の模様


原子力市民委員会は19日、緊急提言「原発再稼働を3年間凍結し、原子力災害を二度と起こさない体系的政策を構築せよ」を内閣府及び原子力規制委員会に提出し、衆議院議員会館で記者会見を行いました。

 



記者会見の冒頭に座長の舩橋晴俊氏は、「本日開かれている原子力規制委員会での新規制基準の決定に対し、手続き的な面と内容的な面の両面で危惧を覚えている」と述べ、座長代理の吉岡斉氏と原子力規制部会長の井野博満氏から、「3つの提言」並びに「新規制基準案の問題点とその解消の方策に関する詳細説明」の二部構成からなる緊急提言の内容について、説明を行いました。

 新規制基準が7月8日に施行されることについて、舩橋座長は、「国民合意と安全性という点できちんと議論すべき姿勢が軽んじられ、政治的な圧力の中で無理に先に進められており、内容的な疑問が非常に多い」として、「原子力市民委員会としては、内容的に、あくまで科学的に安全性を実現するために、議論を深めたい。公開討論会のようなことは実現されるべきだと思っている」と述べました。

 また、吉岡座長代理は「福島原発事故の教訓をどのように受け止めるかということをしっかりと議論してから規制基準の改定に乗り出すべき。まだ遅くはない」と述べました。さらに福島事故の教訓について、ドイツは「リスクが計算すらできない」として脱原発に踏み切ったが、日本は「地震・津波とアクシデントマネージメントの2点を追加設備でクリアすればいい」とくみ取ったとして、「その路線は、事故直後から原子力安全・保安院がやってきた路線だ」と指摘しました。

 井野博満原子力規制部会長は「新基準を策定するにあたって、出発点として、現在の設計基準をベースにし、その先にシビアアクシデント対策をくっつけている」「福島原発事故の経験を踏まえるのであれば、スタートである設計基準から考え直すべき」と批判し、今回決定された新規制基準について、「あくまで中間報告として留めて、最終的な再稼働の審議はその先にすべきだ」と述べました。

http://www.ccnejapan.com/?p=1107

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第1提言(原発ゼロ社会へ向けての政策転換を軌道に乗せる)
政府は原発ゼロ社会を目指すという原点に立ち返り、その円滑な推進のための法令改正等を、
今後最大限の努力を傾けて推進する必要がある。そうした原子力政策転換が軌道に乗るまでの
間、原発再稼働を凍結すべきである。政策転換は早いほどよいが、それが抜本的な転換であるこ
とを考えれば、最低3 年間の凍結が必要である。この3 年間という時間は、原子力災害防止シス
テム全体の抜本的強化、および原子炉の規制基準の抜本的強化のためにも必要である。なお政策
転換の進捗次第では、大幅な期間延長が必要となることも見込んでおかねばならない。

第2提言(原子力災害防止システムを建て直す)

原子力規制委員会は、2013 年7 月18 日までに新規制基準を策定し、それにもとづいて既設原
子炉の安全審査を行おうとしている。それにより既設原子炉が次々と新規制基準に適合すると判
定されるに違いない。しかし新規制基準に適合することは、その原子炉において過酷事故が起こ
らず、また周辺住民に大きな被害を与えないことの十分条件にはならない。原子力災害防止シス
テムの全体的な建て直しへ向けて、解決しなければならない課題は多い。それらに全力で取り組
む必要がある。

 

第3提言(原子炉システムの新規制基準を作り直す)

現在まとめられようとしている新規制基準案については、これを中間報告扱いとし、それに関
する主要な争点について十分な時間をかけた公聴会(パブリック・ヒアリング)を実施すべきで
ある。それをふまえて新規制基準案を決定し、その内容が適切であるかどうかについて、広く国
民の意見を聞き、社会的な合意を形成する必要がある。その際、エネルギー・環境会議が実施し
たような周到な国民意見集約のための手続きを踏む必要がある。

原子力規制委の新基準の課題と解消のための項目

(1)福島原発事故の実態把握と原因分析を十分行うべきである。
(2)安全規制体系の未完部分を整備すべきである。
(3)福島原発事故の教訓を反映した立地評価をすべきである。
(4)安全設計評価は、設計基準事故の原因を内部事象に限定すべきではない。
(5)共通原因故障も仮定した設計基準事故を想定して新規制基準を策定すべきである。
(6)外部電源に関する重要度分類指針、耐震設計審査指針を見直すべきである。
(7)重大事故対策を法制化すべきである。
(8)「重大事故対処設備」に5 年猶予期間を設けるべきではない。
(9)放射能閉じ込め機能を喪失させるフィルターベントの導入にあたっては、周辺住民への被ばく
影響を検証し、合意プロセスを経るべきである。
(10)原子力災害対策の前提となる被害想定の不確かさを認識し、原子力災害対策指針を見直すべ
きである。

http://www.ccnejapan.com/2013-06-19_CCNE_01.pdf