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双葉町民の発言が観客の心動かす~『原発の町を追われて~避難民・双葉町の記録』上映会報告 (レイバーネット)
2013-08-22 19:03:38

8月19日、渋谷アップリンク・オープンファクトリーで『原発の町を追われて~避難民・双葉町の記録』の上映&トークイベントが開催された。3・11福島原発の事故から埼玉県に避難した双葉町。最初の一年を記録した前作につづき、二年目の避難生活を追った『続編』も同時上映された。
映画に登場する双葉町の前町長や町民の参加もあり、開場前から多くの人たちが列をつくった。入場制限で入れない人もいるほどで、多くの人たちの関心がうかがえた。
上映後のトークでは、井戸川前町長が、町長の辞任や町民どおしの対立についての実情を赤裸々に語った。また、福島県内外で避難生活を続ける二名の双葉町民は、映画を上回る迫真力で、集まった人たちの心を動かした。
事故は終わったかのような風潮に抗うように、避難民と都市部の人たちが心を通わせる集いとなった。
まず制作者の堀切さとみ(筆者)があいさつ。「一年間、多くの人たちに支えられて、さまざまな場所で自主上映会をしてもらってきた。初めて劇場上映まですることができて、感謝している。一か月前に続編を作ったが、一年目よりさらに追い詰められた、二年目の双葉町のことを知ってほしかった。埼玉に避難所をつくった町長が辞任に追い込まれ、町民どおしが対立した。私自身とてもつらかったが、なぜこういうことになったのかを汲み取ってほしい。現在進行形の問題として、双葉町がどうなっていくのか見続けたい」と語った。

福島県内の町政懇談会で、町民が町長に怒りをぶつけるシーンに、会場の多くの人が驚いていた。それを受けて、井戸川克隆前町長が「おこられ役の井戸川でございます」と挨拶。
「避難生活が長期化し、一番心配したのは町民の争い。それと何より自殺を防ぎたかった。文句があれば何でも町長に言っていいよといってきたが、それが高じてしまった」「新町長は強引に騎西高校を閉鎖にしようとしているが、本当に困っている人たちがいる。だって、帰るとこないんだから。この人たちを救うべきなのは事故原因者なのだが、ものの見事に雲隠れしてしまっている」「一番この映画を観てもらいたいのは安倍総理ですね。あれくらい怒られてみろと。原発輸出を言う前にこの映画を観ろと、皆さん声をあげて下さい」
続いて、騎西高校で交流カフェを開いている双葉町民の鵜沼友恵さん。「あれから何年たったんだろうという気持ち。特にお年寄りをみていると、毎日命がけで生きている。法律上は避難所がまだ続いているのはおかしいし、生活する環境ではない。でも、なぜ残っている人がいるのか。先の見通しがないからだ。引っ越せと言われても、皆不安を抱えて脅迫観念を持って出て行ってる。今、原発事故の被害者が、福島県外でも安心して避難生活を継続できる住まいの確保をもとめる署名を集めている。ぜひ協力してほしい」
松木清隆さんは双葉町の中でも、原発が爆発した直後、もっとも線量が高かった上羽鳥地区に住んでいた。
「重度ストレス障害です。どこで泣き出すかわかりません。十五万人の人々が、今も家を追われて・・・あちこちで自殺者が出ています。365日のうち、300日、泣いてきた。「原子力・放射線の専門家としてやってきました。もう二度と、東電で仕事はしない。日本人の習性からいって、原子力は不可能。核と原子力に、安全ということは絶対にない。これだけは言っておきたいと思います。「今すぐ、着の身着のままで逃げろ!・・そういわれたら皆さんどうしますか。家族がどこにいるかわからない。ガソリンがない、食い物がない・・そういうことを体験した時、自分たちは日本人ではないと、つくづく思いました」
その後、会場から次々と出される質問にも、リアルな言葉が返された。「福島って、もう大丈夫じゃないの?という人が多い都会で、関心をもってもらうにはどうしたらいいと思うか」という質問に対し、松木さんが「現地をみてほしい」と言うと、井戸川さんが「福島に行ってはいけない」と反論。鵜沼さんは「東京の人たちも、3・11に電車が止まって帰れなくなりましたよね。あの状態がずーっと続いているのが私たち。それを想像してみてください」と言うと、会場から思わず溜息がこぼれた。
また、マスコミ報道について尋ねられると、松木さんは「福島県内の安全キャンペーンを煽るのは地元紙だ。これが双葉町の分断に拍車をかけている」と力をこめた。
三時間のイベントを終えて、参加者から「原発避難者の置かれた現実は、自分の想像を超えていた。トンカチで殴られた気分だったが、これからも殴られることが必要だと思った」という声がよせられた。
決して忘れることなく、関心を持ち続ける人が増えることを、願ってやまない。(報告=堀切さとみ)
http://www.labornetjp.org/news/2013/0819hokoku

































Research Institute for Environmental Finance