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ピスタチオが新エネルギー源?トルコの新環境都市計画(AFP)

2014-04-30 22:07:52

ピスタッチオ、食べだすとやめられないんだよね

【4月28日 AFP】ピスタチオは、トルコのお菓子「バクラバ」に欠かせない材料だが、「緑の黄金」との異名を取るこのナッツを、都市全体の暖房設備のエネルギー源として利用するという画期的なアイデアが、同国で検討されている。

当局は現在、同国初となる環境都市の建設計画で、公共および私有の建築物に設置される暖房の燃料源として、ピスタチオの殻を利用することを検討している。

この計画を実行するにあたり、ナッツの生産でよく知られる、同国南東部のガジアンテプ(Gaziantep)県ほどふさわしい場所はないだろう。

環境建築の専門家である市当局のセダ・ミュフトゥオール・グレック(Seda Muftuoglu Gulec)氏は、「ガジアンテプのピスタチオ生産は有名だが、それと同時に相当な量のピスタチオの殻がゴミとして捨てられている」と指摘し、「ピスタチオの殻を使って、再生可能エネルギーの一種であるバイオガスを取り出すことを計画している」と説明する。

このプロジェクトは、県都ガジアンテプから11キロ離れた土地に、総面積3200ヘクタール、人口20万人規模の都市を建設しようというもの。

■ピスタチオの国

もしプロジェクトが実を結べば、ゴミとみなされていたピスタチオの殻が、新たなエネルギー源となる。

国連機関の一つ、食糧農業機関(Food and Agriculture Organisation、FAO)によると、トルコは、イランや米国、シリアと並び、ピスタチオの生産で世界有数の規模を誇る。

南東アナトリア輸出業者組合(Southeast Anatolia Exporters Union)によると、トルコにおけるピスタチオの輸出量および輸出額は、2010年の4010トン・5000万ドル(約51億円)から昨年には6800トン・8000万ドル(約82億円)まで増加し、うちガジアンテプだけで昨年4000トンを輸出したという。

新都市の開発は、まず55ヘクタールほどの小規模な区画で試験プロジェクトが実施され、もし成功すれば、全区域で開発に乗り出す。

ピスタチオの殻の新たな可能性について最初に指摘したのは、フランスの環境土木会社Burgeap社だった。同社は昨年、ピスタチオがこの地方に最も適したエネルギー源だと指摘する報告書を発表し、同地方の暖房に使用されるエネルギーの最大60%を、再生可能エネルギーによってまかなうことができると指摘した。

このプロジェクトは現在、当局からの許可が下りるのを待っている状態だという。

グレック氏は日程こそ明かさなかったものの、自治体の高官たちが合意に達し、土地の所有者たちの同意が得られれば、「すぐに」開発がスタートする予定だと述べた。

 

http://www.afpbb.com/articles/-/3013189?pid=0