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原発の発電コストは、風力発電よりかなり高い。しかも廃炉費用含めず。米調査機関がまとめ(東京)

2014-09-17 10:56:31

高コストの原発に再依存しようとする日本(九電の川内原発)
高コストの原発に再依存しようとする日本(九電の川内原発)
高コストの原発に再依存しようとする日本(九電の川内原発)


原発の発電コストは、世界的に1kWh当たり平均14セント(約15円)で、太陽光発電とほぼ同レベル、陸上風力発電や高効率天然ガス発電の8.2セントに比べてかなり高いとの試算を、エネルギー問題の調査機関として実績のある米国企業計「ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス」(BNEF)がまとめた。

 

東京電力福島第一原発事故後の安全規制強化もあって建設費や維持管理にかかる人件費などが世界的に高騰していることが主な理由。再生可能エネルギーのコストの低下が続く中、原子力の優位性が薄れていることを印象付ける結果となった。2004年の日本政府による試算では、原発発電コストは1kWh当たり5.9円だった。

 

BNEFは、原子力やバイオマス、地熱、水力など23の発電手法jについて、2014年上期時点の世界各国の設備費、燃料費、資金調達に必要な債務費用などを調べ、施設の耐用年数などでならしたコストを算出した。

 

炉心溶融などの深刻な事故を防ぐための対策強化が求められるようになった結果、原発の発電コストは近年上昇しており、設備利用率を92%と高く見積もっても、1kWh当たり14セントとなった。

 

地熱(同6.5セント)、小水力発電(同7.7セント)、陸上風力(同8.2セント)などの再生可能エネルギーに比べてかなり割高だった。石炭火力は9.1セント、天然ガス火力は8.2セントだった。

 

原発コストには、放射性廃棄物処分のために電力会社が積み立てている費用を含むが、廃炉費用は含んでいない。

 

太陽光発電は近年、発電コストが下がって、14.9セントとなっている。日本では、海外に比べて高価な国内製機器が使われることから32.9セントと高いが、BNEFは「安価な輸入品機器の利用拡大で、コストは低下傾向にある」としている。

 

風力発電も日本は機器コストが高く、稼働率が欧米に比べて低いため、19セントと割高だった。BNEFは、米国大手情報サービス企業「 ブルームバーグ」の傘下にある。