HOME |福島の国道6号 3年半ぶり全線開通だが、途中に毎時17.3μシーベルトの”汚染地帯”。「窓開けるな」と政府。強引な正常化演出を物語る(各紙) |

福島の国道6号 3年半ぶり全線開通だが、途中に毎時17.3μシーベルトの”汚染地帯”。「窓開けるな」と政府。強引な正常化演出を物語る(各紙)

2014-09-17 14:59:08

国道6号の通行規制が解除され、ゲートを開ける作業員=15日午前0時、福島県富岡町
fukushimarout620140915013jc各紙の報道によると、福島第1原発事故後、通行規制が続いていた福島県富岡町-双葉町間の国道6号(14.1km)が、15日から規制解除となったが、途中に最大放射線量毎時17.3マイクロシーベルトという”汚染区間”がある。政府は「通行時は窓を閉め切って」と呼びかけている。


国道6号線の規制は15日午前零時に自由通行に移行した。帰還困難区域を走る区間の規制解除で、3年半ぶりに全線通行が可能になった。今回の解除に合わせて、南北にあった検問所を撤廃し、脇道への進入を防ぐバリケードを沿線に設置した。

国道6号の通行規制が解除され、ゲートを開ける作業員=15日午前0時、福島県富岡町
国道6号の通行規制が解除され、ゲートを開ける作業員=15日午前0時、福島県富岡町


 

ただ、通行できるのは自動車のみで、当面はバイクや自転車、歩行者は通れない。6号に接続する富岡町内の県道小野富岡線(1.7km)も同時に規制解除した。

 
規制解除区間内の平均空間放射線量は毎時3.8マイクロシーベルト。最大値は大熊町内で毎時17.3マイクロシーベルトにも達する。このため、内閣府原子力災害現地対策本部の有倉陽司参事官は「不要不急の通行は避け、通行時は車を閉め切ってほしい」と呼び掛けているという。

 

しかし、仮に事故などで、解除区間内の道路で駐停車した場合、車の外に出ると、外部被爆を受けるリスクも残っている。そうした場合の責任は政府がとるのか、東電がとるのか、あるいは地元自治体がとるのかは不明。結局は、自己責任を強いられそうだ。

 
帰還困難区域内の通行はこれまで、復興事業や避難区域を抱える自治体の住民の車両に限られていた。全面開通で「経済活動の活発化や復興加速につながる」(遠藤智広野町長)と期待が集まるが、一方で、他県からの車も入りやすくなり、犯罪の増加などを懸念する声も出ている。

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201409/20140915_63018.html