HOME |2015年度の太陽光発電の買取価格は26円(1kWh当たり)が有力。今年度より2割安に(FGW) |

2015年度の太陽光発電の買取価格は26円(1kWh当たり)が有力。今年度より2割安に(FGW)

2015-01-16 20:04:06

solartuibiキャプチャ
solartuibiキャプチャ経済産業省資源エネルギー庁は、1月15日開いた固定価格買取制度(FIT)の調達価格等算定委員会で、2015年度の買取価格算定の基礎になる基本データを示した。それを踏まえると、非居住用(10kW以上)の買取価格は、2014年度の1kWh当たり32円(税抜き)から、6円下がって26円になる公算が高まった。

 

買取り価格26円は今年度より約2割減、初年度からは35%減となり、太陽光発電事業が一気に冷え込む可能性がある。

 

資源エネ庁が提出した太陽光発電の平均コストデータによると、非住宅用の太陽光発電事業は今年度に比べて設備費(資本費)のうちのシステム費用が5.5%アップの1kW当たり29.0円と見込まれる。それ以外の土地造成費や接続費用は据え置き飲み込み。

 

またフローの運転維持費は制度の普及等もあって年間で1kW当たりの費用が今年度の0.8円から0.6円程度に低下する見込み。25%の低下となる。また設備利用率(発電能力に対する実際の発電量)は13%から14%に高まるとみられるため、事業者の収益アップが見込める。

 

これらを踏まえると、1kW当たり28円程度になるが、FIT導入の初年度から事業参入を促すためにIRR(内部収益率)に1~2%をプラス加算していたプレミアム分を廃止するため、さらに2円下がって、26円程度になる計算だ。

 



プレミアムを廃止する時期は7月だが、その一方で新年度が始まる4月から発電設備ごとの買取価格を確定するタイミングも変わる。非住宅用の太陽光発電の場合は従来よりも6~9カ月程度は遅くなり、これから申請する発電設備の大半は7月以降に買取価格が確定する。このためプレミアムを上乗せしない買取価格が2015年度の適用条件になる。

 

プレミアム廃止は、当初計画だとFIT対象の全再エネ発電に適用される予定だが、風力や地熱、バイオマスなどの他の再エネ発電の導入が低迷していることから、これらについてはプレミアムを2015年度も継続する方向という。その分、再エネ事業間の比較で、太陽光発電はさらに魅力を失うことにもなる。

 

3年目の2014年度に入ってからはバイオマスの導入量が増えてきたほか、中小水力でも成長の兆しが見え始めている。2015年度もプレミアム価格を維持すれば、バイオマスと中小水力が拡大する。風力と地熱は導入までの期間が長くかかるため、2015年度以降に運転を開始する発電設備が多い。

住宅用(出力10kW未満)の太陽光発電の価格については、発電設備の導入コストが全般的に低下していることを反映させて、今年度の37円からは36円に1円程度下がる見込みという。