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福島で世界最大の浮体式風車立ち上がる。浮体部分を含めると高さ220m。コストと発電の安定性が課題(FGW)

2015-06-22 14:38:04

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丸紅など11社によるコンソーシアムで建設を進めている福島県沖の洋上風力発電事業で設置される高さ190m、羽根の直径167mという浮体式洋上風力発電では世界最大となる風車が完成し、22日、福島県いわき市の小名浜港で公開された。三菱重工業が製造したもので、一基で7000kWの発電容量を持つ。

 

 同コンソーシアムは、国(経済産業省)主導の事業で、「浮体式洋上ウィンドファーム実証研究事業」。同上では3基の風車を建設するが、今回の風車が最大規模のものとなる。風車は油圧ドライブ型で、高さ190m、羽根の直径167m、浮体部分を含めると高さは約220mになる。重さ1500トン。7月初旬に沖合約20kmの地点で浮体の設置作業を始める予定だ。実際の発電は12月初旬に始める予定。

 

 すでに1基目の風車(出力2000kW、日立製作所製)は2013年11月に1期目の工事で完成、発電を開始している。もう一基は出力5000kWのもので、日立製作所が建設する予定。

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 洋上風力発電は陸上の風力発電と違って周辺に障害物がなく、安定的に風を得られるほか、近接する住宅等への低周波騒音の問題も起きない。このため、欧州では大規模な洋上ウィンドファームの建設が進んでいる。ただ、欧州では遠浅の沿岸が多いことから、比較的コストの安い海底固定型の風車が多いが、日本では一定の風力が見込める遠浅の海岸が少ないことから、浮体式での風力発電の可能性を確認するため、国主導の実証実験が進められている。

 

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 実証実験では、浮体式で発電した電力を安定的に陸上に送電できるかどうか、さらには海底固定型に比べて、設置コストをどれだけ低減できるか、などを検証する。コンソーシアムには、丸紅、三菱重工、日立製作所のほか、三菱商事、三井造船、東京大学、新日本製鉄、古河電気工業、ジャパンマリンユナイテッド、清水建設、みずほ情報総研が参加している。

http://www.fukushima-forward.jp/

https://www.mhi.co.jp/news/story/150622.html