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早稲田大、神戸製鋼等と共同開発で 空気と熱で電気を貯蔵する新蓄電システム開発へ。2017年度にも実用化(FGW)

2015-06-22 20:41:55

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早稲田大学スマート社会技術融合研究機構は、エネルギー総合工学研究所(東京都港区)と神戸製鋼所との共同で、新型蓄電システム「断熱圧縮空気蓄電システム」の開発に乗り出した。再生可能エネルギーで発電された電力を、圧縮空気と熱の形にしていったん貯蔵し、必要に応じて再び圧縮空気と熱を使って再発電するというユニークなシステムだ。

 

 新型蓄電システムは、汎用機器で構成されているため信頼性が高いうえ、装置の寿命は20-30年と、従来の蓄電システムの2倍に延びる見込み。また従来の蓄電設備に不可欠なレアアースなどの希少物質を使用しないことから、廃棄が容易な利点もある。2016年度には実証機を試運転し、17年度以降の実用化を目指すという。

 

 3者が共同開発する「断熱圧縮空気蓄電システム」は、主に再エネの風力発電の出力変動を抑えるために使うことを想定している。システムは汎用のスクリュー圧縮機やスクリュー発電機、熱貯蔵タンク、空気貯蔵タンクなどで構成する。神戸製鋼はこれらの機器の製造を担当する。同社は1915年に国産初の高圧空気圧縮機を製作して以来、圧縮機分野ではトップ企業。

 

 早稲田大はシステムを最適に制御するアルゴリズムの開発と、実際に機器を制御するためのソフトウェア等を担当する。エネルギー総合工学研究所は風力発電の出力変動緩和などを実現するためのシステム設計、実証運転の評価を担当する。

 

  開発は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)を通じて取り組む技術開発プロジェクトの一環。

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