資料:第21回RIEFオンライン勉強会(通算46回)。「2024年のサステナブルファイナンスを『読む』」(明日香壽川、足達英一郎、藤井良広)
2024-02-05 22:50:02
一般社団法人環境金融研究機構(RIEF)は2024年最初のオンライン勉強会として、2024年のサステナブルファイナンス関連の主要課題がどう動くかを、3人の専門家がディスカッションを行った。
2023年に国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)が気候・サステナビリティ情報開示基準を公表、サステナビリティの情報開示の国際基準が定まる一方で、米国を中心に反ESGのキャンペーンが11月の大統領選挙の政治的思惑も絡めて展開する等の不確実な環境をどう読むか。日本で始動したGX政策が日本産業の脱炭素化を促すか、あるいは旧来の化石燃料関連産業の改革先送りとなるのか。
政治的には、米大統領選挙が大きな課題で、トランプ前大統領が勝利すると、パリ協定からの再離脱をはじめ、サステナブルファイナンスも、ESGも一気に逆流するとみられる。バイデン大統領が再選された場合でも、米連邦議会での共和党優位の構造が変わらないと、米国が気候変動交渉をリードする方向に向かうのは容易ではない。
EUは、これまで気候変動対策、ESG、サステナブルファイナンスのルール作り等で世界をけん引してきた。だが、欧州を席巻する右派政党の台頭は、6月に予定される欧州議会選挙にも影を落としている。日本では岸田政権が自民党の派閥資金の不明朗な流用疑惑で、国民の政治不信が一気に高まる中で、政府主導のGX政策が先行き不透明なトランジション戦略に向け船出する年となるが、果たしてGXは、吉と出るか、それとも兇と出るかーー。
ディスカッションを主導したのは、東北大学東アジア研究センター教授の明日香壽川氏、日本総合研究所常務理事の足達英一郎氏、環境金融研究機構代表理事の藤井良広の3人。