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大津波の予見不可能 幼稚園バス被災訴訟、園側棄却求める(河北新報)

2011-10-11 16:15:36

東日本大震災で石巻市の日和幼稚園の送迎バスが津波に巻き込まれ、4~6歳の園児5人が亡くなった事故で、園側の対応に安全配慮義務違反があったとして、園児4人の遺族が、園を経営する学校法人長谷川学院と元園長に約2億6700万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が11日、仙台地裁であった。園側は「石巻に大津波が到達することを予見することは不可能だった。法的責任はない」として、請求の棄却を求めた。
 

園側は答弁書で「震災2日前の地震でも津波が発生しなかった。津波が来るかどうかの情報を確認することが、不可欠とまでは言えなかった」と主張。「園児の対応に追われたり、停電したりしてラジオなどで情報収集できなかった」と述べた。

 園児をバスで送迎するよう指示した点などについては「早く保護者の元へ送り、安心させたいと考えた。わざわざ海側に連れ出そうとしたわけではない」と反論した。
 

遺族側の代理人は意見陳述し、「園側は津波被害を予見し、回避することが可能だった。自力避難できない園児を預かる責任は重大」と訴えた。

 訴えによると、バスは3月11日午後3時ごろ、園児12人を乗せて海に近い石巻市南浜町方面に向けて出発。7人を降ろして園に引き返す途中の同3時45分ごろ、門脇町付近で津波に巻き込まれ、乗っていた園児5人は死亡した。

 園側の対応の問題点について、遺族側は(1)地震後の情報収集を怠り、バスを高台にある園から津波の危険がある海側へ走らせた(2)園職員が停車したバスに追い付いたのに園児を高台に避難させなかった―などと主張している。

http://www.kahoku.co.jp/news/2011/10/20111011t13036.htm