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新電力のイーレックス 来年4月の電力小売全面自由化を先取り、消費者からの事前登録開始。バイオガス、再エネ電力で割引価格+アルファの魅力をアピールへ(RIEF)

2015-10-16 15:29:18

Elexキャプチャ

 電力事業専業のイーレックスは、来年4月からの電力小売全面自由化を先取りする形で、顧客からの事前登録の受け付けサービスを開始した。価格の設定は未定だが、同社の電力はバイオマスや太陽光などの再生可能エネルギー電源を自社開発および外部調達しており、「価格+グリーン」で消費者の乗換えを目指す戦略のようだ。

 

 イーレックスは2001年に国内で三番目の新電力会社(特定規模電気事業者)としてスタート。これまで企業や自治体向けに電力販売を展開していきた。現在は、主に、北海道と四国、沖縄を除く全国でサービスを展開しており、契約字業者数は6000件を超えるという。

 

 今回、家庭などの小売向けサービス展開のため、電力自由化で先行する米国の電力小売大手のスパークエナジー(Spark Energy)と業務提携、米国のノウハウを活用した合弁事業を国内で展開する。

 

 イーレックスの強みは、スパークエナジーとの連携に加えて、販売する電力の「クリーンさ」にある。販売電力は主にガス火力と再生可能エネルギーからの電源。同社は自ら、千葉県市原市に出力11万kWのガスコンバインドサイクル方式の発電設備を持つほか、2013年には高知市にバイオマス発電所(2万9500kW)を開発、2016年には大分県佐伯市でも5万KWのバイオマス発電所を稼動させる予定だ。

 

 さらに固定価格買取制度(FIT)を活用して、太陽光など再生可能エネルギーの電力源を事業者から買い取る業務も展開している。また、企業が持つ工場等での自家発電設備とも契約を結び、安定した供給体制を確立しているという。

 

 同社は顧客からの事前申し込みのサイトを用意したが、家庭・商店向けの料金メニューはまだ公表しておらず、12月までに用意するとしている。競合他社の動向をみたうえで、競争力のある価格の設定をする考えのようだ。

 

 バイオガスや再エネ電力のクリーン度を販売に際して消費者にアピールすることに対して、経済産業省は規制する方向を打ち出しているが、提供電力の発電構成を消費者に伝えれば、消費者自身がクリーン度、グリーン度を判断できる。このため、「価格+アルファ」のマーケティングが同社の競争力強化につながるかもしれない。

https://www.erex.co.jp/