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福島市・土湯温泉で 東北初の商業用バイナリー発電所完成。JOGMECが債務保証(RIEF) 

2015-11-22 22:06:12

tsuchiyuキャプチャ

 福島市の名湯として知られる土湯温泉町で、温泉の源泉を利用した東北地方で初の商業用バイナリー発電所が完成、20日に落成式が現地で行われた。

 土湯温泉は東日本大震災で源泉の一部が被害を受け、代替源泉を掘削する作業を続けていたが、2014年10月に完成した。源泉の能力が回復したことで、バイナリー発電施設を建設する工事期間中に対象源泉の給湯を停止することが可能となり、作業を進めていた。

 

 バイナリー発電では、源泉の蒸気と熱水を利用してタービンを回す。発電出力は400kW(うち機械自体の消費電力が50kW)で、年間発電量は約260万kW。一般世帯約500世帯分の消費電力を発電し、全量を固定価格買い取り制度(FIT)を利用して東北電力に売電、年間1億円の収入を見込んでいる。

 

  地元企業の「つちゆ温泉エナジー」と「元気アップつちゆ」が管理・運営する。また 発電時に水で冷却することで21度前後の温水が毎分4000リットル生じる。このため、この温水を冬の道路融雪に使うほか、周辺地域での温室栽培や山地での魚介類養殖などへの活用も検討しているという。

 

 事業は、 資源エネルギー庁の再生可能エネルギー発電設備等導入促進補助金を受けている。その他の資金は地元の金融機関からの借入金だが、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が国内初の債務保証対象事業として、借入金の8割を債務保証を付けた。

 

 土湯温泉は、福島市南西部の吾妻山系に囲まれた高原地帯(標高450m前後)にある。磐梯朝日国立公園内で、国立公園内を源流とする荒川の谷間に旅館が立ち並ぶ。震災前は年間23万人前後の観光客や湯治客が訪れていたが、震災後、客足が落ち、現在は年間18万人に減っているという。

 

 地元では、今回のバナナリー発電を軸に、温泉を多面的に活用した街づくりで地域経済の再活性化を目指している。

 

http://www.fre-net.jp/?p=3736