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核燃料再処理コストは、直接処分の約2倍 原子力委試算(FGW)

2011-10-25 16:00:09

核燃料サイクルのコスト比較
報道各紙によると、原子力委員会は25日、現在、国が推進している核燃料サイクルのコストが、核燃料直接処分よりも倍の費用が掛かることを明らかにした。来年7月に公表する政府のエネルギー・環境会議(エネカン)に報告する。エネカン会議は来夏をめどに、我が国のエネルギー戦略の基本方針「革新的エネルギー・環境戦略」をまとめル予定。

 現在国は、原発の使用済み核燃料からプルトニウムを取り出して再利用する核燃料サイクルの実現を目指しているが、今回の試算によると、その際の「再処理」コストは、再利用せずそのまま地中に埋める「直接処分」コストの2倍になることがわかった。

 東京電力福島第一原発事故が起きるまで、国内の原発54基からは毎年約1千トンの使用済み核燃料が出ていた。今回の試算では、これを①全て現行計画通りに再処理する②半分を再処理し、半分は今後約50年間、施設で保管する(中間貯蔵)③発電から54年後にすべて直接処分(地下埋設)、という三つのシナリオに分けて試算した。

 その際、金利3%の場合、①1キロワット時当たり1.98円の費用となるのに対して、②は一時的に燃料を保管しておく費用が同1.39円。③は使用済み核燃料を地中に埋めるための地下設備建設費用などに1.00~1.02円がかかるとの結果となった。

 


核燃料サイクルのコスト比較