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西日本新聞社が、原発批判を削除要請、発行直前に出版中止(FGW)

2011-12-16 13:35:01

asahilogo
 西日本新聞社(福岡市)が、環境活動家に執筆を頼んだ本の中で、九州電力玄海原発でのプルサーマル発電を批判した記述があったことから、この部分を執筆者に削除するように要請したうえで、昨年12月に出版中止にしていたことがわかった。

  この本の著者は環境活動家の田中優氏(54)。田中氏らによると、2009年7月、同氏が福岡市で講演した際、西日本新聞社の事業局出版部の編集者から出版の話を持ちかけられ、昨年2月に本格的に編集作業に入っていたという。10月末の発売予定も決まっていたが、西日本新聞社は玄海原発に言及した「再処理工場は必要なのか?」と題した部分など計12ページ分の全文削除を求めたという。

田中氏はいったんは削除を受け入れたが、昨年12月16日、編集者がメールで出版の中止を伝えてきたた。西日本新聞社は九電の第2番目の大株主で22万2千株(3.08%)を持つ。一方、西日本新聞社も九電株を3800株持つ(3月末現在)。さらに西日本新聞の川崎隆生社長は九電子会社の西日本空輸の取締役を兼ねるなど、両社は緊密な資本関係にある。田中氏は今年6月、削除分を元に戻し、子どもの未来社(東京)から「地宝論」として発行しな直した。