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沖縄電力、太平洋のトンガ王国に、可倒式風力発電設備5基を納入。ODAの無償資金協力事業として。離島で磨いた台風対策設備と技術を輸出(RIEF)

2018-04-05 12:55:53

tonga1キャプチャ

 

 沖縄電力は沖縄県内の離島で運用している可倒式風力発電設備を、太平洋のトンガ王国に納入する。太平洋のトンガでは温暖化対策にも資する電力設備として風力発電の導入が期待されるが、サイクロン等による強風への対応が求められている。沖縄の離島で実績のある可倒式風力発電設備の導入を政府開発援助(ODA)の無償資金協力事業として実施することになった。

 

 (写真は、風車を倒した際の様子)

 

 風力発電設備の輸出は、沖縄電力グループのプログレッシブエナジー(PEC:沖縄県中城村)が貿易周夫社の西澤(大阪)と協力してトンガ電力公社と契約した。日本の無償資金協力事業として国際協力機構(JICA)の契約認証も得た。ODAの無償資金協力案件で風力発電設備を手掛けるのは今回が初めて。

 

 同事業は2015年の第7回太平洋・島サミット(PALM7)で日本政府が提案したハイブリッド・アイランド構想支援の一つでもある。

 

 今年7月に、トンガの首都があるトンガタプ島で着工する。2019年4月までに出力275kWの設備5基を設置する。風車を倒したり立てたりするための運転操作や整備の地元向けの研修事業も行うという。

 

風車を立てた時(左)と、強風時に倒した場合(右)
風車を立てた時(左)と、強風時に倒した場合(右)

 

 トンガに提供する可倒式の風力発電設備は、フランスのベルニエ社製風車を元にして、タワ ーや基礎等の設計・製造を独自に行ったもの。強風時にはワイヤーで牽引して風力発電機を 90 度近く倒し、強風の影響を避けることができる。また、建設や傾倒する際にも大型クレーンを必要とせず、保守管理も本体を倒した状態で容易に行えるなどの利点もある。

 

 沖縄電力は、2009年から低炭素社会実現に向けたCO2排出量抑制と離島発電所の燃料コスト、保守管理コスト低減策のため、この可倒式風力発電設備を導入しており、現在、県内4 離島で7 基を運用している。風力発電の建設や運転・保 守管理を PEC社が担当している。

 

 沖縄電力では、地元で培った「沖縄発」の知見と技術で、トンガだけでなく、温暖化加速の影響を受ける大洋州島嶼国の課題解決に取り組むことを目指すとしている。同電力は、可倒式風力発電設備について、離島や島しょ地域に共通する自然環境や課題に対応する設備として、これまで海外での導入機会を探っていた。

https://www.okiden.co.jp/shared/pdf/news_release/2017/180330_01.pdf