仏エネルギー大手のトタル、日本で洋上風力発電事業に参入へ。すでに複数の事業者と交渉中。浮体式洋上風力事業も視野に(各紙)
2019-11-18 11:25:58
各紙の報道によると、エネルギー大手の仏トタルは、日本市場で洋上風力発電事業に参入する検討に入ったという。現在、事業開発のために複数の企業と交渉中としている。トタルは日本ですでに大規模太陽光発電所(メガソーラー)の運営に参入しており、洋上風力発電事業にも参入することで、日本の再生可能エネルギー市場での基盤強化を目指す。
(写真は、トタルが展開する浮体式洋上風力発電事業のモデル)
日経産業新聞が報じた。それによると、同社の洋上風力事業への参入は日本支社が担当している。同社事業開発部の榊田剛ジェネラル・マネージャーが「洋上風力発電の事業化に向けて複数の事業者と交渉している」と明らかにした、としている。すでに日本支社は地元企業との交渉に当たっているという。
わが国での洋上風力発電事業は、漁業権等との調整が課題となってきたが、今年4月に再エネ海域利用法が施行されたことで、各地で開発計画が進んでいる。トタルは石油資本(メジャー)の中でも、再生エネ事業にも積極的な投資戦略を推進している。http://rief-jp.org/ct4/96035
現在の日本での事業化については、「一定の進展がみられている」という。日本支社の情報として、今後、事業主体の特別目的会社(SPC)の出資比率など詳細を詰め、早期に事業化を決める考えだとしている。
洋上風力発電には、遠浅の沿岸部での着床式と、比較的深度のある海域での浮体式の2方式がある。浮体式は建設コストがかかるが、大量に設置できるメリットがある。トタルは、着床式だけでなく、浮体式も視野に入れているとしている。過去には、60万KWの大型案件の入札に参加した実績もあることから、「建設や資金調達のノウハウを生かして日本でもコストを下げることは十分に可能」(榊田氏)と説明している。
トタルは2017年に日本の太陽光発電市場に進出。https://rief-jp.org/ct1/59646 最近では10月に、宮城県で出力5万kW超のメガソーラーの建設に着工している。稼働済み・建設中の太陽光発電所は3カ所で合計約10万kW以上の出力を保有している。全社的には再生エネやガス事業を強化する方針を掲げ、2025年の再エネ総発電容量は現在の約8倍となる2500万kWを目指している。
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO52256700V11C19A1X93000?type=my#AAAUAgAAMA