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キリンホールディングス、ミャンマーでの国軍企業との合弁事業の提携解消で、シンガポール仲裁センターに商事仲裁を提起。合弁解消には時間必要(RIEF)

2021-12-06 16:55:09

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 キリンホールディングスは6日、同社がミャンマーで国軍企業と結んだ合弁事業の提携解消のため、シンガポールの国際仲裁センター(SIAC)に商事仲裁を提起したと発表した。同社はミャンマーで国軍がクーデーターで政権を掌握した行動が、同社のビジネス規範や人権方針に反するとして、同企業との提携解消を表明していた。しかし、提携解消の交渉が難航しているため、今回の措置に踏み切った。

 

 キリンは、子会社のキリンホールディングスミャンマーを通じて、国軍企業(MEHPCL)ミャンマーでのビール製造・販売会社の「ミャンマー・ブリュワリー」を運営してきた。しかし、今年2月のクーデターを受け、合弁解消を発表していた。

 

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 ところがキリンによると、合弁解消交渉が遅延する中で、今年11月19日にMEHPCLはヤンゴン西地区裁判所に対して、合弁会社の会社清算を申し立てた。キリンは「合弁契約を無視し、ミャンマーの法令に違反する」としてシンガポールの高等裁判所に手続き停止を申し立て、高裁より手続き停止を命じる決定を得ている。

 

 キリンは、MEHPCLに対して、シンガポール高裁の決定を尊重するよう要請するほか、ヤンゴン裁判所にもMEHPCLの申し立て却下を求めている。こうした経緯を踏まえて、今回、提携解消の手続きが公正、適正に行われることを求めて、SIACに仲裁を提起した。

 

 SIACでキリンに有利な仲裁結果が出た場合でも、国軍が申し立てている会社清算がヤンゴン裁判所で認められる可能性がある。その場合は、現地裁判所の手続きが優先される可能性がある。ミャンマーに関連して韓国の鉄鋼大手のポスコ、ノルウェー通信大手テレノール等も国軍系企業等との交渉が難航しているという。

 

 キリンでは「ビール事業を通じてミャンマーの経済や社会に貢献することは、今後も変わらず当社の目指すところ。本仲裁を可及的速やかに進めるとともに、提携解消に当たっては現地従業員とその家族の生活や安全、取引先、顧客に最大限配慮しながら進めていく」とコメントしている。

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https://pdf.irpocket.com/C2503/ZJpV/IjpE/tQk9.pdf