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日本コカ・コーラ、日本財団と共同で、国内廃プラスチックが河川から海洋に流出する「流れ」を追跡する調査を開始。ドローン、AIも活用(RIEF)

2019-05-23 13:00:46

cokako-raキャプチャ

 

 日本コカ・コーラは日本財団と共同で、国内のプラスチック廃棄物が河川や海に流出する原因を調査する「陸域から河川への廃棄物流出メカニズムの共同調査」を開始した。全国8カ所で約240kmにわたり調査し、廃プラが回収されずに、河川・海に流出する「流れ」を明らかにすることを目指す。

 

 (写真は、4月に実施された予備調査の模様)

 

 すでに4月に予備調査を実施、本調査は、東京都と神奈川県を流れる境川、富山県の神通川、岡山県・笹ケ瀬川、福岡・瑞梅川が決定し、これに、北海道、長野、兵庫、香川の各道県でも調査を行う予定。調査はスマホアプリ等を使ってゴミ拾い活動を展開している株式会社ピリカが担当、技術支援として、 笹川平和財団海洋政策研究所、ブルーイノベーション調査会社が加わる。

 

 調査では、使用済みのレジ袋、ペットボトル、その他のプラスチック製品などが、どのような経路を辿って、河川・水路に流れ込むのかを、発生源となる繁華街や住宅地等を含めて調べる。河川付近のごみ集積所や水路、繁華街の側溝・路側帯など、ごみが滞留することの多い場所を、ドローンやデジタルカメラ等で撮影し、その画像や専用スマートフォンアプリで収集した位置情報をAI(機械学習)などの技術を活用して分析する。

 

調査で使うドローン㊧、河川流域を撮影しAIで分析㊨
調査で使うドローン㊧、河川流域を撮影しAIで分析㊨

 

 調査結果は、今年6月のG20大阪サミット開催時期をめどに中間報告をまとめるほか、年内に最終レポートを日本コカ・コーラと日本財団のウェブサイトなどで公表する。

 

 さらに、収集したデータを地図情報や各種オープンデータと組み合わせて分析し、プラスチック資源の流出経緯を解明する。日本国内では、ペットボトルについては約98%が回収されているとされるが、残り2%の回収も目指す。

 

 日本コカ・コーラは2018年1月に「World Without Waste(廃棄物ゼロ社会)」の実現を目指す「容器の2030年ビジョン」を公表している。今回の共同調査も、海洋ごみとして流出するペットボトルを限りなくゼロに近づけるための活動の一環と位置づけている。

 

日本コカ・コーラのガルドゥニュ社長㊨日本財団会長の笹川陽平氏㊧
日本コカ・コーラのガルドゥニュ社長㊨日本財団会長の笹川陽平氏㊧

 

 同社社長のホルヘ・ガルドゥニョ氏は「「日本は政府、企業、市民の連携によって現在の循環型社会を構築してきた。日本のコカ・コーラシステムも、1970年代から容器の回収・リサイクルのテーマに取り組むなど、その発展に貢献してきた。今回の共同調査が、日本の資源循環をさらに高いレベルに引き上げ、『World Without Waste』の実現の一助となることを期待している」とコメントしている。

 

 日本財団は2018年11月から産学官民が連携し、オールジャパンで海洋ごみ対策に取り組む新たなプロジェクト「CHANGE FOR THE BLUE」に取り組んでいる。事業規模は3年で50億円。笹川陽平日本財団会長は「海洋ゴミの7―8割が陸・街由来であり、今回の共同調査で効果的な施策に結びつくと考える。海洋ごみ問題の複雑さや大きさを踏まえ、日本財団は様々なステークホルダーと連携していく」と述べている。

 

https://www.cocacola.co.jp/press-center/news-20190522-12