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「カップヌードル」に使用するパーム油の縮小を、日清食品に求める署名運動開始。「持続可能性」を追求する東京五輪スポンサーとしての対応を求める。環境NGOのRAN(RIEF)

2019-08-22 18:26:29

Nissinキャプチャ

 

  環境NGOのレインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)は、東京五輪スポンサーである日清食品ホールディングスに対して、同社の看板商品の「カップヌードル」に使用しているパーム油を縮小することを求める署名運動を開始した。同社は、今年から持続可能なパーム油円卓会議(RSPO)の認証油の利用を始めたが、RANはその方法論が不十分だと指摘、調達地での森林破壊ゼロを基本とした調達方針の強化を求めている。

 

 日清食品グループは「持続可能性」を追求する東京2020五輪・パラリンピックの「オフィシャルパートナー」(スポンサー)を務めている。RANは、五輪スポンサーとして、環境面・社会面におけるパーム油調達方針の強化が求められる、と指摘する。パーム油は同社の「カップヌードル」の揚げ油として利用されているが、原料となるアブラヤシ農園開発による熱帯林破壊や、生産国での人権侵害など多くの問題が指摘されているためだ。

 

東京五輪開幕1年前セレモニーの際に、熱帯林破壊を訴えるRANのメンバーら
東京五輪開幕1年前セレモニーの際に、熱帯林破壊を訴えるRANのメンバーら

 

 RANは持続可能な五輪を実現するには、森林破壊ゼロを基本に、インドネシアやマレーシアなどパーム油生産国の熱帯林及び泥炭地の保護、アブラヤシ農園での労働権保護、先住民族や地域コミュニティの土地権を含む人権尊重が必要として、同社に対して対応を求めるため、署名運動を展開する。すでに英語版の署名は2018年1月18日から開始し、これまで米国を中心に16,800筆が集まっているという。

 

 日清食品は、今年から持続可能なパーム油円卓会議(RSPO)の認証油の利用を開始した。しかしその方法論は「マスバランス」(MB)と呼ばれるもので、非認証パーム油も混入されており、パーム油産業が引き起こす森林破壊や気候変動への影響、様々な人権侵害などへの対応は困難、と指摘している。

 

パーム油の原料となるアブラヤシの実
パーム油の原料となるアブラヤシの実

 日清食品によると、現在の同社グループ全体のRSPO認証パーム油使用量の比率は20%程度。これを2025年までに25%にまで高める目標としている。だが、RANは「それでは不十分。利用する全てのパーム油について、森林破壊や人権侵害などの、問題がある農園や企業から調達されていないかどうかを確認する『NDPE方針(森林破壊禁止、泥炭地開発禁止、搾取禁止)』を採択するなど、責任ある調達に早急に取り組む必要がある」としている。

 

 RSPOの方法論をNDPEに切り替えることは、すでにネスレ、ハーシーズ、ケロッグ、ユニリーバなどの欧米大手食品企業が実施しているという。

http://japan.ran.org/?p=1488