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アマゾンの破壊を呼ぶ法改正案に拒否権を!ブラジル大統領に要望を(WWF)

2012-05-22 08:22:34

森林破壊、特に熱帯の森の破壊は、世界の二酸化炭素増加の大きな要因になっている。
森林破壊、特に熱帯の森の破壊は、世界の二酸化炭素増加の大きな要因になっている。


ブラジルで現在進められている、森林保全にかかわる「森林法」の法改正が、世界の注目を集めています。これが実現してしまうと、これまでの保護下規制が大幅にゆるめられ、アマゾンをはじめとするブラジル国内の森林破壊を深刻化させるおそれがあるためです。WWFはこのブラジル政府の動きに強い懸念を表明し、ブラジルの大統領に対して、この「法改悪」に対する拒否権を発動するよう、強く要請。さらに、世界の人々に向け、200万人の署名を呼び掛けています。

南米の森林を脅かす「法改悪」





現在ブラジルで進められている森林法(Brazilian Forest Code)の改正が、大詰めを迎えています。

法案はすでにブラジル議会を通過。ディルマ・ルセフ大統領が拒否権を発動しなければ、この法案は成立し、アマゾンをはじめとするブラジルの国内の貴重な森林が、危機にさらされることになります。

この法律の改正により、引き起こされる可能性のある問題は、およそ以下の通りです。

  • これまで法律で保全が義務づけられていた森林の多くが合法的に伐採・農地等へ転換できるようになること

  • そのために、76万平方キロ(日本の国土の約2倍)の森林が失われると予測されていること

  • これらの森林破壊により、280億トンの二酸化炭素(CO2)が放出され、2009年の日本のCO2総排出量の約25倍に相当する大量の温室効果ガスが排出されるおそれがあること


環境保全の観点から見たこの法改正は、むしろ「改悪」であるといえます。 また、地球温暖化と気候変動の将来にわたる影響を考えたとき、これは決してブラジル一国にとどまる問題ではなくなります。

日本からも働きかけを!


ブラジル政府は近年、自国内の森林保全を強化しており、アマゾン地域での森林減少を2020年までに80%、セラード地域では40%減少させる政策目標を立てていました。

また日本政府も、長くブラジルの森林保全に対する国際協力を続けてきましたが、今回のブラジル森林法が改正法されれば、ブラジル、日本両政府のこれまでの取り組みは、大幅に後退するおそれがあります。

WWFはこの問題について、世界の160以上の団体が参加する「ブラジル委員会(O Comitê Brasil)」と共同で、ブラジルのジルマ・ルセフ大統領に対し、期限である2012年5月25日までに拒否権を発動するよう求めてきました。

WWFジャパンも、日本政府として、森林保全と温暖化防止の観点から、この法改正を実行しないようブラジル大統領に求めることを要請した要望書を、野田総理大臣に提出。200万人の署名を日本国内でも呼びかけています。

200万人の署名にご協力を!




WWFは現在、グローバル・オンライン・コミュニティのAvaazで、ブラジルで活動している主要な団体と連携し、署名を集めています。目標は200万人で、2012年5月21日現在で、約182万人が署名に参加しています。

また、こうした世界中の人々の声を、twitterで集め、ブラジルに届ける呼びかけも行なっています。ハッシュタグは#VetaTudoDilma または #SOSBrazil。日本語での書き込みももちろん歓迎です。

ご関心をお持ちいただける方は、ぜひご参加ください。

要望書



 

http://www.wwf.or.jp/activities/2012/05/1064321.html