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日本海沿岸や香港島等で、使用済みマスクの漂着が増大。新型コロナウイルス感染防止で急増したマスクの不法処理で海洋汚染さらに深刻化(RIEF)

2020-06-08 17:06:46

Musk006キャプチャ

 

 新型コロナウイルスの感染防止策として世界的に使用が進んでいるマスク。しかし使い捨てマスクが海洋に投棄され、新たな汚染を生み出しているとの指摘が起きている。自然保護団体が香港の島の海岸の大量のプラスチックごみの中に混じっていることを告発しているほか、日本海沿岸でもマスク漂着が増加しているという。不織布のマスクにはポリエステル等のプラスチック原料等が含まれる。

 

 自然保護団体Ocean Asiaは、すでに2月から香港周辺の海岸に漂着するプラスチックごみの中に、使い捨てマスクが紛れ込んでいることに気づき、回収と警告を続けている。コロナウイルスの感染拡大とともに、漂着マスクの数は増大し続けているという。

 

本来は透明な海岸で、廃棄されたマスクが多数見つかる
本来は透明な海岸で、廃棄されたマスクが多数見つかる

 

 感染対策で、マスクは毎日代える必要がある。したがって、感染拡大とともに、廃棄されるマスクの数も急増している。香港に流れ着くマスクは、香港内部からの流出分に加えて、海流の影響で中国大陸等から大量に運ばれてくるものが含まれるとみられる。漂着するマスクには、様々なタイプが含まれている。

 

 日本海沿岸にも大量の「使用済みマスク」が漂着している。マスクのほかに、中国語やハングルが記されたゴミや針付きの注射器や点滴パックなどの医療廃棄物なども増大しているという。これらの「汚染物」は、海洋で「洗われている」ため、新型コロナウイルスの感染にはつながらないとみられる。だが不気味だ。

 

日本海の沿岸に漂着したマスク
日本海の沿岸に漂着したマスク

 

 西日本の海岸周辺では、「以前から、医療廃棄物が流れつくことはあったが、今年はマスクが目立っている。新型コロナウイルスが不安」との声が住民からあがっている。市販の「不織布マスク」のほか、医療機関向けの「N95(微粒子用)マスク」も混じるという。

 

 コロナ対策では、一般に繊維を熱処理や、機械的、化学的に作用させて布状にした不織布を使ったマスクが有効とされている。不織布の原料には、多様な繊維が活用でき、ナイロン、ビニロン、ポリエステル等も利用されている。

 

 本来は、コロナ対策で使用するため、使用後は、ウイルス等が付着している恐れがあり、むやみに捨ててはいけない。だが、使い捨てを前提としているため、不法投棄が後を絶たないわけだ。

 

 オーシャンズアジアの共同創設者ギャリー・ストークス(Gary Stokes)氏は自ら、海岸に漂着したマスクを含むプラスチックごみの回収に携わりながら、「(使用済みマスクごみは)われわれが将来の世代に残す、さらなる負荷でしかない」と語っている。

http://oceansasia.org/beach-mask-coronavirus/

https://www.zakzak.co.jp/soc/news/200523/dom2005230007-n1.html