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貸付型クラウドファンディング「maneoマーケット」で投資家資金を集めた「グリーンインフラレンディング」に破産申し立て。延滞約120億円。「グリーンウォッシュビジネス」か(各紙)

2021-03-15 23:46:49

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   各紙の報道によると、貸付型クラウドファンディング大手のmaneoマーケット(東京・品川)が、同社のプラットフォームを通じて投資家から資金を集めていたグリーンインフラレンディング(東京・港、GIL)に対し、債権者破産申し立てを東京地方裁判所に行ったことが明らかになった。GILではファンドを通じて投資家から集めた資金のうち、約120億円で延滞しているという。”グリーンウォッシュビジネス”の行き詰まりのようだ。

 

 申し立ては8日付。maneoによると、GILはmaneoのプラットフォームを利用してファンド形式で投資家から小口資金を募り、再生エネルギー関連インフラへの融資を手掛けてきた。ところが、応募した投資家への支払いが延滞中のファンドが22件に上るとして、maneoはGILに対して、ファンドの進捗状況を確認する資料開示要請や、投資資金の投資家への分配・償還を求めてきた。だがこれまで、GIL側が応じなかったことから、法的手続きをとったという。

 

 この件では、2019年3月に、投資家54人と法人3社がmaneoと、GIL、さらにGILから資金流用を受けたとされる企業等を相手に、総額約11億円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしている。原告はGILだけでなく、投資募集をプラットフォームで提供したmaneoについても、虚偽の表示で資金を募り、資金管理等に問題があったため損害を引き起こしたとして責任を追及している。http://rief-jp.org/ct12/87799

 

 GILは、一般投資家から10%を超える利回りの再エネ事業に融資するローンファンドを募集してきた。同社の公表によると貸付件数2204件、貸付金額200億8026万円を実行したとしている。しかし2018年6月、maneoはGILの融資先の資金が投資家への説明と異なる使途に使われていた疑いがあるとして、ファンドの新規募集を停止した。延滞ファンドは22案件、金額約126億8000万円に達したという。

 

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 報道されたmaneoの説明によると、「GILは2018年7月、返済を受けた投資家の分配・償還原資を、銀行預金口座に保管することなく、関係会社に不正に送金した。またmaneoが求めた情報開示の要請に応じず、投資家への分配・償還も応じていない。好転は期待できないと推察されることから法的手続きを進めることを判断した」としている。

 

 maneoによる破産申し立てとは別に、一部の投資家による債権者破産申し立ても行われる予定とされる。

 

  GILのサイトを見ると、たとえば、メガソーラーローンファンド(総募集額2505万円、利回り12.50%、運用期間23カ月、投資可能金額5万円から)等の募集事例のリストが掲載されている。その多くが「成立」「満額成立」等と表示され、順調に資金が集まっているように説明している。

 

 GILは募集したファンドへ投資を表明した投資家との間で、匿名組合契約を結び、投資家はGILに出資する形をとる。GILは集めた出資金を内外の再エネ事業等に融資する。投資家は直接、グリーン事業に融資するのではなく、GILに出資する形なので、GILが破産すると投資家は出資金を回収できなくなる場合がある。

 

 maneo自身もGILに対して、サービス利用料などの債権を持つとみられる。両社を巡っては、2018年に金融庁が投資の勧誘時の説明と異なる目的に資金が流用されているとして業務改善命令を出している。

 

 ソーシャルレンディング等については、一時、日本経済新聞をはじめ、経済紙誌等でも盛んに取り上げられた。だが、事業審査の甘さ等が目立ち、投資家とのトラブルが増えている。「再エネ事業+高利回り」をアピールに、小口資金を幅広く集める手法は、”グリーンウォッシュ”の典型例ともいえる。EUや米国では、こうしたグリーンウォッシュ対策の強化に力を入れているが、日本では金融庁の取り組みも単発で、十分な監視の目が届いていないといえる。

https://www.greeninfra.jp/information/news?id=1198

https://www.greeninfra.jp/material/fund/news/20210312.pdf