HOME12.その他 |英G7会場周辺で、ピカチュウ軍団が登場。菅首相への「応援団」ではなく、「石炭火力止めてくれ~」と声をそろえたようです。NGOのアピール相次ぐ(RIEF) |

英G7会場周辺で、ピカチュウ軍団が登場。菅首相への「応援団」ではなく、「石炭火力止めてくれ~」と声をそろえたようです。NGOのアピール相次ぐ(RIEF)

2021-06-13 21:31:53

 

  英国・コーンウォールで開いた主要7カ国(G7)首脳会議(サミット)に出席した菅首相を「歓迎」するかのように、日本の人気キャラクター、ピカチュウの軍団が街を練り歩いた。また各NGOは街角、砂浜、海上等で様々な工夫をした出し物を展開、7カ国首脳に市民の側を向いた積極的な政策の実施を求めた。

 

 英国最西端の「ランズエンド」の近くでの開催となった今回のG7。まさに「地の果て」での地球のリカバリー策の立案が首脳たちに求められている。3日にわたる会合では、コロナからの経済回復、中国の人権問題、気候変動対応等と幅広いテーマを議論した。

 

ボクは日本から来たんだ。日本はまだ石炭火力をやろうとしているだぜ。止めてくれよ~
ボクは日本から来たんだ。日本はまだ石炭火力をやろうとしているだぜ。世界の皆さん、日本を止めてくれよ~

 

 コロナ禍にもかかわらず、各国からNGOや活動家らもコーンウォールに集結。サミット会場となったカービス湾の周辺で、様々な工夫と知恵を駆使して、首脳たちに「政策転換」をアピールをした。

 

 7カ国首脳をコピーした浜辺での扮装では、なぜか菅首相の顔が「中国人風」になっているなど、存在が希薄に感じられた菅首相。その中で、日本の菅首相へのアピールとして注目されたのが、ピカチュウ軍団。「ジャイアント・ピカチュウ」と銘打ったキャラクターの着ぐるみを着た一群が練り歩いた。日本の首相の顔と名前は知らなくても、ピカチュウは欧米でも「みんなが知っている」キャラクターだ。

 

Picachu002キャプチャ

 

 と言っても、日本生まれの人気キャラクターは、菅首相の応援団ではなかった。日本が「石炭火力発電」に固執する政策を維持していることに抗議する環境NGOのグループが着ぐるみを着て、「日本の石炭固執政策」の停止をアピールするためのものだった。

 

 「2050年ネットゼロ」を宣言した菅首相。だが、この夏に予定する次期エネルギー基本計画の改定では、所管官庁の経済産業省が、依然、石炭火力への依存を盛り込む路線を崩していないという。また海外での石炭火力事業への国際協力銀行(JBIC)等による公的ファイナンスも停止する姿勢を明確に示していない。

 

約300のドローンを使って、3Dで動物たちを空中に描くショーも
約300のドローンを使って、3Dで動物たちを空中に描くショーも

 

 そんな「困った日本」を阻止しようと、ピカチュウたちは、日本英語と日本語で「日本よ、石炭を止める時だ」と書いた垂れ幕を掲げ、各国から集まった報道陣のインタビューに答えた。

 

 ピカチュウ軍団以外にも、NGOらのアピールはなかなかの見ものだった。中には、300ものドローンを飛ばして、人類の活動で絶滅の危機にさらされている動物たちを3Dイメージで空中に出現させる芸術的な演出も目立った。

https://www.theguardian.com/world/video/2021/jun/11/activists-protesting-at-the-g7-summit-video