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オーストラリア東部で大量発生したネズミの大群、地域の刑務所を機能不全に陥れる。収容者数百人を急きょ、他の刑務所に「避難」させる事態に(RIEF)続報

2021-06-23 17:53:28

Wellington001キャプチャ

 

  大量のネズミの発生で大騒動になっているオーストラリア東部のニューサウスウェールズ(NSW)州で22日、ネズミの大群が刑務所に押し寄せ、所内の電線等を嚙み切って生活インフラを機能不全に陥れた。このため当局は、収容されていた受刑者数百人を別の施設へ「避難」させ、刑務所の清掃と修理に当たる事態になった。

 

 同地でのネズミの大量発生は、気候変動の激化によって、ここ数年にわたる干ばつがようやく終わった今年の春以降、表面化した。農家や工場、病院等もネズミの襲来で大きな被害が起きている。今回、ネズミたちは、同州のウェリントン矯正センター(Wellington Correctional Centre)を襲った。https://rief-jp.org/ct12/115395

 

ネズミたちは刑務所の内も外も自由に出入りできる
ネズミたちは刑務所の内も外も自由に出入りできる

 

 大量のネズミたちは、施設の天井に穴を開けて電線をかみ切ったため、収容所の運営が困難に陥った。収容者たちの健康面の不安も高まった。こうしたことから、10日間かけて、収容者420人と200人の職員を同施設から移動させて、施設のクリーンナップと修繕対策を実施することになった。工事には4カ月ほどかかるという。

 

 NSW矯正サービスのコミッショナーのPeter Severin氏は「ネズミたちが収容所を襲って、損害を与えたことで、われわれは当分、避難せざるを得ない。収容者たちは、その刑期等によって、周辺の刑務所に分散される」と説明している。

 

 刑務所でのネズミの出没は昨年以来起きていたという。しかし、その数が急増したのは最近になってのことで、大量のネズミが大量に発生するとともに、施設のあちこちで大量に死に、その死骸が腐敗しているという。このため、収容者やスタッフへの健康影響が懸念されていた。

 

こんな感じ・・・
こんな感じ・・・

 

 収容者たちは、他の収容所に移動するまでの一時だが、思わぬ形で、刑務所を「出る」ことができた。ネズミのお陰で、「シャバの空気」を吸えたことに、感謝したかどうか。

 

 現在のところ、ネズミたちを抑え込む目途は立っていない。「ハーメルンの笛吹き男」が登場してくれるかだがーー。

 

https://www.abc.net.au/news/2021-06-22/wellington-correctional-centre-evacuated-due-to-mouse-plague/100233214