記録的な異常高温が続くカナダ・ブリティッシュ・コロンビア州のリットン周辺で、ついに森林火災発生。住民は緊急避難。熱波での死者は486人に。第3報（RIEF）
2021-07-02 02:13:08
異常高温が続いているカナダ西部のブリティシュ・コロンビア（BC）州の小村、リットン（Litton）で30日、ついに山火事が発生した。49.6℃まで気温が上昇した翌日、「熱ドーム」の熱射を受け続けた森林で火の手があがり、周辺の住宅にも燃え広がった。同日午後6時、リットン村長が避難命令を発した。暑さによるBC州での死者数は486人に増えている。
（写真は、森林火災が燃え移って燃えるリットンの村の住宅）
BC州の州首相のJohn Horgan氏は「非常に危険な状態だ」として、州の緊急医療隊員を村に派遣することを命じた。すでに同村のいくつかの住宅が燃えたほか、森林火災を防ぐためにも建物が壊されているという。同村の住民は約250人。リットンはバンクーバーから北東260kmの地点の森林地帯にある。https://rief-jp.org/ct8/115700?ctid=70
現地の報道によると、リットンから15km離れたCanacoverの先住民地域に住むJean McJay氏によると、自宅周辺でも森林火災の煙の臭いが流れてきたと語っている。同地区は100人ほどが住んでいる。すでにMcKey氏の友人の家は燃え、彼も自宅を脱出した。
火災はリットンの村一体で広がっている。住宅を焼け出されたり、緊急避難の発令を受けるなどで、住民たちは避難したが、着の身着のままの人も少なくないという。リットンでの森林火災が起きる前の段階で、BC州内では少なくとも3件の大規模な森林火災が広がっていた。その後、ここ2、3日の間に26件の新たな火災が発生し、州の大半の地域が、危険地帯にランクされているという。https://rief-jp.org/ct8/115659?ctid=70
異常高温をもたらした「熱ドーム」は少し和らいだが、ドームによる熱射がもたらした森林火災の火の手が、各地で点在して燃え広がっている。熱ドームの影響は「火災」に姿を変えて、まだ続きそうだ。
熱ドームに襲われたこの5日間の死者数は少なくとも486人に達する見込みとなっている。このうち165人の急死は異常高温による体調不良、熱中症等によるとみられる。さらに熱波の影響で300人以上の死亡者が出ているという。現地の医療担当者は「熱ドームの影響による死者数を確定するのはまだ難しい。増えることだけは確かだ」と指摘している。
https://www.canewsottawa.ca/small-canadian-town-evacuated-litton-burns-after-record-three-heats/
Research Institute for Environmental Finance