HOME |英政府、使い捨てフォーク、ナイフ等を新たに禁止対象に。昨年のストロー、マドラー等に次ぐ。プラスチック包装材税も2022年から課税へ(RIEF) |

英政府、使い捨てフォーク、ナイフ等を新たに禁止対象に。昨年のストロー、マドラー等に次ぐ。プラスチック包装材税も2022年から課税へ(RIEF)

2021-08-31 17:31:06

UK001キャプチャ

 

 英国は使い捨てのプラスチックプレートやフォーク、ナイフ、ポリカップ等の使用を新たに禁止する方針を決め、近くコンサルテーションを開始する。英国は昨年10月から、使い捨てストローやマドラー等をすでに使用禁止としており、今回、その範囲を拡大する。英国は2042年までにすべての回避可能なプラスチック廃棄物を保全する計画を目標としており、その一環。

 

 英環境・食品・地域関連省(Defra)によると、英国人は年間18件の使い捨てプラスチックプレートを消費し、37件の同食器を使うという。その結果、毎年110億件の使い捨てプレートと、143億件の同食器が使用・廃棄されている。

 

 これらのプラスチック廃棄物はこれまで、長年にわたって埋め立てられたり、街路にごみとして廃棄されたりしてきた。その後、海洋に流れ込んで海洋汚染を引き起こし、毎年、世界中で、100万以上の鳥や10万以上の海洋動物・亀等がそれらを食べて死んだり、傷つく要因になっている。

 

プラスチック廃棄物が無数に捨てられている海岸
プラスチック廃棄物が無数に捨てられている海岸

 

 英政府は2018年に、プラスチック製のマクロビーズをトイレ等に流すことを禁じたのを手始めに、2020年には、使い捨てストロー、マドラー、綿棒の供給を制限した。さらに今年から、スーパー等でのプラスチックバッグ提供価格を引き上げて、消費者のプラスチック製品離れを後押しする政策を積み上げている。

 

 今回の使い捨て製品の使用禁止拡大は、そうした対策に沿う。英環境相のGeorge Eustice氏は「プラスチックが我々の環境にダメージを与えることは誰もが知っている。そうした製品を公園や街中、海岸等に不注意で捨てないような対策を講じることが政府として大事だ」と述べている。

 

 使い捨てプラスチック製品の使用禁止拡大措置に合わせて、2022年4月から、再生原料が30%以下のプラスチック包装材に対して、㌧当たり200ポンドの「パッケージ税」を導入する考えも示した。

 

 また化学品を添加した生分解性プラスチック製品についても、使用禁止の方針を打ち出している。生分解性プラスチックはプラスチック廃棄物の代替品として開発されているが、分解されたプラスチックがマイクロプラスチック化するほか、使用している化学添加物による汚染も指摘され、EUでは「使用済みプラスチック指令」で禁止対象となっている。同指令採択には英国も賛同したが、EU離脱後、英国内法の整備が遅れている。

 

 英環境NGOのFriends of the EarthのKierra Box氏は「プラスチック規制の拡大は悪くはない。しか、製品ごとの規制アプローチは時間がかかり、プラスチック汚染危機の解決には不十分だ。政府が目標とする「プラゼロ2042年」では、これからまだ20年も待たねばならず、その間に、海洋、生態系、食品チェーン等は劣化し、傷ついてしまう」と政策のスピードアップを求めている。

 

https://www.independent.co.uk/climate-change/news/single-use-plastic-cutlery-ban-england-b1910244.html