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世界の最高平均気温。今月21、22日と2日連続で過去最高を記録。南極大陸での気温上昇の影響大きく。EUの「コペルニクス気候変動サービス(C5S)」が公表(RIEF)

2024-07-25 00:31:55

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 EUの気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス(C3S)」は23日、今月の21日、22日と連続して、世界の平均気温が過去最高を記録したと公表した。これまでの世界平均気温は、昨年の2023年7月6日に記録した17.08℃。21日には17.09℃と0,1℃上回り、24日にはさらに17.15℃にまで上昇した。世界の平均気温は、北半球の夏と重なる6月下旬から8月上旬にかけて年間ピークに達する傾向がある。北半球の大きな陸上部分は、夏の間、南半球の海域部分が冷えるよりも早く温まるためだ。今年の場合、南極大陸の大部分で平均気温を大きく上回ったことが影響しているとしており、しばらく「世界最高気温」の日が続きそうという。

 

 C3Sは1940年からの観測データを元に観測と予測を行っている。7月21日の気温(17.09℃)は、前年7月の最高気温を0.1℃上回ったがほとんど変わらない水準だった。これに対して22日の気温は観測データセットで生じる典型的な日内変動の差よりも大きかった。2023年7月以前の日平均気温の世界記録は、2016年8月13日の16.8℃だった。2023年7月3日以降、2023年7月から8月にかけて、そして2024年に入ってからの6月から7月にかけて、この記録を超えた日は58日あった。

 

 昨年に続いて今年の7月21と22日に連続して最高気温を記録したことについて、C3Sディレクターのカルロ・ブオンテンポ(Carlo Buontempo )氏は21日に世界の日平均気温が新記録を達成したことで驚異的なのは、過去13ヶ月の気温とこれまでの気温記録との差がいかに大きいかということだ。気候が温暖化し続けるにつれて、今後数ヶ月、数年のうちに新記録が更新されるに違いない」と指摘している。

 

日最高気温の経年的推移
日最高気温の経年的推移

 

 さらに22日の記録更新を受け、この現象はまだ進行中であり、ピークの日付が変わる可能性もある。ただ、われわれのデータによれば、今後数日間は気温が若干下がる可能性もある」としている。

 

 地球温暖化の明確な兆候は、日中の最高気温が最も高かった10年間が、2015年から2024年までの過去10年間であるという点だ。この10年間の最低ランク(2015年)と2023年以前の前回記録(2016年8月13日)の差は0.2℃である。2016年の記録から2023年の新記録への上昇は0.28℃だったのに対して、2024年の新記録への上昇は0.35℃とジャンプした。2023年に比べ、今年の気温上昇が相当大きいものであるかを示している。

 

 そのうえで、今回の日単位での世界平均気温の急激な上昇の直接的な要因は、南極大陸の大部分で平均気温を大きく上回ったことが関係しているともみている。ただ、このような大きな異変は南極の冬期には珍しくなく、昨年7月の世界気温上昇も南極の気温上昇が寄与したとされる。南極の海氷面積は昨年の今頃とほぼ同水準にまで減少しており、南氷洋の一部での平均気温を大きく引きあげることにつながっている。

 

 今後の気温の動向については、今回起きた7月半ばでの世界平均気温更新は、通常、世界平均気温はこの時期にピークを迎えることから、短期的には、その後の展開は223日ごろにピークとなり、その後いったん下がるとみられるとしている。ただ、今後数週間はさらに変動する可能性もあると予想している。

 

https://climate.copernicus.eu/new-record-daily-global-average-temperature-reached-july-2024