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世界の平均気温、年初の1月も月別では観測史上、過去最高値に。パリ協定の目標である「1.5℃」を上回る「1.75℃」。北極の海氷面積は過去最小に(RIEF)

2025-02-13 11:22:09

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 2025年最初の1月の世界の平均気温(陸上)は13.23℃で、観測史上過去最高を記録した。産業革命前以来の上昇では、パリ協定の目標とする「1.5℃以下に抑制」を上回る1.75℃と高かった。EUの気候監視ネットワーク「コペルニクス気候変動サービス(C3S)」が公表した。同機関の観測では、2024年は年間の平均気温が過去最高の15.10℃を記録し、産業革命前からの気温の上昇も年間を通じて初めて1.5℃を上回る1.60℃だったが、そのトレンドは25年に入っても継続されている。また1月の北極の海氷面積は、過去最小だった。米国で温暖化に疑念を示すトランプ大統領が再登場したが、気温上昇トレンドは地球の温暖化の進展を、より明瞭に示している。

 

 「C3S」の発表によると、1月の世界の地表大気の平均気温13.23℃は、直近10年(1991年から2020年)の平均気温を0.79℃上回った。過去19年間のうち18か月間において、世界平均地上気温が産業革命以前の水準を1.5℃以上上回った。

 

 1月までの1年間(2024年2月~2025年1月)の平均気温は、1991年~2020年の平均気温を0.73℃上回り、産業革命以前の水準を定義するための推定値(1850年~1900年)の平均気温を1.61℃上回った。これまででもっとも気温が高かった1月は一昨年(2023年)だったが、それを0.12℃上回った。

 

 地域別では、欧州の平均気温は1.80℃で、1991年から2020年の1月の平均気温を2.51℃上回った。ただ過去最高だった2020年1月の平均気温は同期間の平均気温を2.64℃上回っており、今年の1月はそれよりは低かった。欧州地域のうち、ロシア西部を含む南欧と東欧では1991年から2020年の平均を上回り、過去最高となった。一方、アイスランド、英国、アイルランド、フランス北部、フィンランド北部等の地域では平均を下回った。スペインのバレンシアでは、1月27日に26.9℃を記録。過去150年間の記録を更新して、1月では最も高い気温となった。

 

 北米では、カナダ北東部と北西部、アラスカ、シベリアで過去最高気温となった。南米南部、アフリカ、オーストラリアの大部分、南極では過去最高ではないが、この間の平均気温を上回った。ただ、米国とロシアの最東端地域のチュコトカおよびカムチャッカでは、平均気温を大幅に下回ったほか、アラビア半島と東南アジアでも平均気温を下回るなどの地域差が生じた。

 

 

 海面水温も高かった。太平洋の東部海域での赤道付近では、海面水温が平均を下回る「ラニーニャ」現象が起きており、赤道太平洋の中央部では海面水温が平均を下回った。だが、東部海域では平均に近いか、平均を上回る状態が続いた。これは、エルニーニョからラニーニャの状態への移行が、減速または停滞する可能性を示唆している。

 

 南緯60度~北緯60度における平均海面水温(SST)は20.78℃で、同月の観測史上2番目に高かった。だが過去最高気温だった2024年1月の記録を0.19℃下回った。海面水温は、他の多くの海洋流域や海域で異常に高い状態が続いた。

 

 降雨量は、1月の西欧の大部分と、アイルランド南部、英国、フランス、イベリア半島西部、イタリアの一部を含むその他の地域では、平均を上回る降雨量となった。これらの豪雨の原因は暴風雨のエオウィン(Éowyn)とイヴォ(Ivo)の襲来によって、多くの地域で豪雨と洪水が発生した。

 

 一方でイベリア半島東部では、地表土壌に強い乾燥信号が継続し、平均よりも乾燥した状態が続いた。大気の乾燥度を示す地表空気相対湿度は、世界全体でみると、過去40年間にわたって減少傾向が続いており、1月は1991年から2020年の平均を大幅に下回った。

 

 C3Sの気候戦略リーダー、サマンサ・バージェス氏は「2025年1月もまた驚くべき月だった。熱帯の太平洋でラニーニャ現象が発生し、一時的に地球の気温が低下したにもかかわらず、過去2年間に観測された記録的な気温が続いている。C3Sは2025年の年間を通して、海洋温度と気候変動への影響を注意深く監視していく」とコメントしている。

 

極地の海氷面積の推移(日ベース)
北極の海氷面積の推移(日ベース)

 

 1月の北極の海氷面積の月平均値は1310万k㎡で、1991年から2020年の1月の平均値を0.8万k㎡(6%)下回った。これは、過去47年間の衛星観測データで判明している1月の海氷面積としては、2018年1月とほぼ同程度となる最も少ない面積だった。24年12月に観測された同月の最低記録に次ぐ。

 

 1月の北極海の海氷面積は1980年代から大幅に減少している。ただ、2000年代半ば以降は減少傾向がはっきりしなくなり、近年は小さなマイナス異常値と比較的大きなマイナス異常値が混在する年が多いという。そうした中で今年1月は最小記録となった。2021年と2023年には、これとは対照的に、ほぼ平均的な面積だった。

 

 

 

 南極の海氷は平均より5%少ないという比較的小さな減少にとどまった。2016年以降、同地では、いくつかの例外を除いてほとんどの年で1月に大きな減少が観測されたが、今年は対照的に小さな減少となった。

 

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