HOME10.電力・エネルギー |ベトナムでの再エネ事業拡大情報でインサイダー取引容疑の再エネ企業の元執行役員(元東京証券取引所勤務)に対し、執行猶予付き有罪判決。罰金等の追徴金は株売却益の2倍の1億円(各紙) |

ベトナムでの再エネ事業拡大情報でインサイダー取引容疑の再エネ企業の元執行役員(元東京証券取引所勤務)に対し、執行猶予付き有罪判決。罰金等の追徴金は株売却益の2倍の1億円(各紙)

2025-03-17 18:34:43

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 再生可能エネルギー関連事業を内外で手掛ける企業で、自社株取引をめぐり、インサイダー取引をしたとして金融商品取引法違反で摘発されていた同社役員に対する東京地裁の裁判で、懲役2年6カ月、執行猶予4年、罰金250万円、追徴金約1億円の判決が言い渡された。被告の元役員は、不正株取引で5000万円の売却益を得たとされるが、罰金を含めた追徴金は売却益の2倍を課せられたことになる。

 

 朝日新聞などによると、インサイダー取引があったのは、再エネ事業を内外で展開する東京・品川の「Abalance(エーバランス)」社。同社の元執行役員の堀内信之容疑者は、2023年1月中旬ころ、太陽光パネルの製造販売を手掛ける同社のベオナムコ会社での工場新設に関する情報を事前に把握し、自社Abalanceの株を計1万9400株、5316万円で買い付け、売り抜けたとされる。

 

 堀内容疑者は、東京証券取引所や複数の企業のIR担当などを経て、23年にAbalanceに入社。執行役員に就任し、IR広報室長兼経営企画室長を務めた。同社に入社後すぐに、インサイダー取引に手を出したことになる。弁護側は「重要事実を知ったことと取引そのものは無関係だった」などと主張したが、退けられた。

 

 榊原敬裁判官は「職務上の立場や専門的知識などを悪用して自らの利益を追求した」として、懲役3年の求刑に対して、懲役2年6月、執行猶予4年とするとともに、罰金250万円、追徴金約1億円を言い渡した。容疑者は取引で得た利益を大幅に上回る罰金と追徴金を課せられたことになる。

 

 Abalance社は昨年5月に堀内容疑者が逮捕された際に、「当社は、これまでも、インサイダー取引の未然防止につとめてきたが、今回このような事態となり厳粛に受け止めている。今後は、インサイダー取引規則を含む金融商品取引法に加え、会社法や適時開示制度の遵守などコンプライアンス意識の更なる向上に努めるとともに、必要な再発防止策を講じ、役職員一丸となって信頼回復に努める」とのコメントを出している。

 

 同社は東証スタンダード市場に上場している。ベトナムの工場で独自の太陽光パネルを製造し、各国に販売・輸出するとともに、再エネ発電所の売買や、運営等の事業も展開している。

 

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE170TH0X10C25A3000000/?type=my#AAAUAgAAMA

https://digital.asahi.com/articles/AST3K1HS4T3KUTIL008M.html?iref=pc_national_incident_list_n

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